2024年 4月 26日 (金)

コロナ禍の「金持ち企業」に異変あり!? 任天堂が初トップ、前回1位の東芝は......

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   2020年3月期決算による「金持ち企業ランキング」(第8回)で、「任天堂」が初めてトップになった。与信管理ASPクラウドサービスを提供するリスクモンスター(東京都中央区)が2020年8月25日に発表した。

   多くの製造業がランクインした一方で、前回1位の「東芝」は2000番台に凋落した。ネットキャッシュ(企業がすぐに現金化できる手元資金)の金額が多いほど、財務の安全性が高い「金持ち企業」といわれている。

「モノづくり」企業はお金持ち

   第5回から7回の3年連続で2位だった「任天堂」が、初の1位だ。調査によると、ネットキャッシュが8904億円だった。2位は化学メーカーの「信越化学工業」で8130億円、3位は空気圧制御機器メーカーの「SMC」で5367億円だった。

   4位に自動制御機器や計測機器などの「キーエンス」(4766億円)、5位の電気機器メーカーの「ファナック」(4058億円)、6位に「セブン&アイ・ホールディングス」(3747億円)、7位「セコム」(3601億円)、8位に大成建設(2747億円)、9位が自転車部品と釣り具のシマノ(2669億円)、10位が電子部分メーカーのローム(2673億円)となった。

   上位20社の業種をみると、分野は異なるものの13社が製造業で、モノづくり企業のキャッシュ保有の度合いの高さが目立つ結果となった。

   前回順位との比較では、大幅にランクアップしたのが「日揮ホールディングス」で、前回42位から15位、「オムロン」も39位から19位と、上位20位圏外から躍進した。また、「セブン&アイ・ホールディングス」も前回19位から6位に上昇。高水準の営業キャッシュフロー(営業で得られる現金とそれに要するコストの収支)を維持して現預金を貯蓄しつつ、同時に総借入を減少することでネットキャッシュを増加させている。

   一方、メモリ事業の売却によって前回1位となった「東芝」は今回、ネットキャッシュがマイナス489億円で、営業キャッシュフローはマイナス1421億円となり、2647位に大幅ダウンした。

キャッシュ保有と事業投資で利益創出を!

   調査したリスクモンスターは、

「緊急事態宣言発令の影響により、景況感は悪化しており、7月1日に発表された日銀短観(マイナス34)はリーマンショック後の2009年6月調査(マイナス48)以来の低水準となりました。今回のランキングは2020年3月決算が主体で、コロナ禍の状況は加味されていないものの、ランキング上位20社のうち14社は、前回よりもネットキャッシュが増加していました。それらの企業が、景気動向も考慮しつつ、経営の安定性を高めるための戦略として、ネットキャッシュの蓄積を進めているものと考えられます。
また上場企業は、投資家からROE(自己資本利益率)を10%以上に高める経営戦略が求められているといわれており、このランキングでも上位20社中10社がその基準を上回っています。効果的な事業投資も行いながら、経営安定化のために利益の創出を実現することで、今後の日本経済をけん引していく企業が増えていくことを期待しています」

とコメントしている。

   なお、調査の対象は2020年7月14日時点で2019年4月期決算以降の最新決算を開示していた2923社で、ランキングは決算書の分析結果に基づく。

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