2021年 2月 26日 (金)

コロナ禍の2020年 欧米に比べて感染者少ない日本、それなのに経済は......(上)(小田切尚登)

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ギリギリで決着 英国とEUの自由貿易協定に明るさ

   欧州については、国ごとにコロナの被害の状況が微妙に異なり、対策もそれぞれであったが、結局のところ、特段上手に抑え込めた国はなく、米国と比べて五十歩百歩の状況だ。明るいニュースとしては、経済面では年末にEU(欧州連合)とイギリスとの自由貿易協定が結ばれたことと、新型コロナウイルスのワクチン接種が始まったことが挙げられる。

   途上国はコロナで最も打撃を受けた地域であったといえる。先進国の経済が縮小して、途上国との交易が途絶えたことで、もともと規模が小さく体力に劣る途上国の経済が特に厳しい状況に置かれてしまった。

誰もいない、シャッターが降りたままの地下街
誰もいない、シャッターが降りたままの地下街

   では、日本はどうだったか。日本のコロナ問題が世界で注目されるようになったのが、ダイヤモンド・プリンセス船が横浜港に寄港した2020年2月3日であった。それについて世界から散々批判されたことも記憶に新しいところだが、それから早や11か月が経過した。

   日本はロックダウンせず、PCR検査も一定の条件に合致した場合のみで行う。その一方で「GoToトラベル」や「GoToイート」キャンペーンのような外出奨励策も合わせて行なう、という独自の手法を採った。これについては批判の声も高かった。

   結果はどうだったか――。日本は12月28日時点でコロナによる死亡者の合計が3105人である。米国では一日にコロナでそれくらい亡くなっているし、英国、フランス、イタリア、ドイツなどではそれぞれ数万人が亡くなっており、それらに比べると日本の健康被害ははるかに少ない。

   特に超過死亡数(平年に比べて増減した死亡者の数)がマイナスで推移していることが目を惹く。これは、コロナで(高齢者・基礎疾患がある人がほとんどだが)数千人の死亡者が出る一方で、肺炎やインフルエンザなどによる死亡者数が一万人以上減少したことが主因であると思われる。

   つまり、2020年は通常の年よりも人々の命が守られた年であったということだ。もちろん、一人ひとりにとっては深刻な問題であることは言うまでもないが、危険な病気が他にも多数ある中で、新型コロナウイルスが圧倒的に怖い、というような対応を続けることには疑問がある。

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ。
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