2021年 12月 7日 (火)

コロナ禍の2020年 欧米に比べて感染者少ない日本、それなのに経済は......(上)(小田切尚登)

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日本の実質経済成長率はマイナス5.3%

   英エコノミスト誌は「日本政府はコロナをほとんどの国より良く理解していた」と題する記事(2020年12月12日号)を掲載したが、その中で「日本は厳格なロックダウンとすべて自由という両極端のあいだを揺れ動くのではなく、きめ細かにターゲットを決めてコントロールした」と書かれている。

   もしも欧米の主要国が今の日本の感染の状況になったら、間違いなく終結宣言を出すであろう。そのくらいの被害状況に抑えてきた。

   なぜ日本で感染が少ないかの要因はわかっていないが、国民にとっては幸運な状況である。まだこれから先どのように展開して行くかわからないので、引き続き注意深く様子を見ていく必要があることは言うまでもない。

   一方で、日本はコロナによって経済的なダメージは相当なものを負ってしまった。OECDによると日本の経済成長率の予測はマイナス5.3%で、中国の(プラス)1.8%や韓国のマイナス1.1%より悪いのはもちろん、アジア諸国よりずうっとコロナの被害が大きいはずの米国のマイナス3.7%や世界平均のマイナス4.2%よりも悪い=下表参照

OECDによる実質経済成長率予測
OECDによる実質経済成長率予測

   つまり、日本は感染者数が比較的少ないのに、経済活動にそれを生かせていないということである。

   2008年のリーマンショックの時もそうであったが、自分の国自体にはそんなに問題はないはずなのに、世界の波にのまれて経済に大打撃を受けてしまう、という図式だ。日本は元々潜在成長率が低めなので成長率が低めに出るのはある程度仕方のないところもあるが、ITが未発達で業務のリモートワーク化が今一つ進んでいない、グーグルやアマゾンのような世界的なIT企業がない、中国の発展の波に乗れていない、といったことが合わさってこのような数字になったものと思われる。(小田切尚登)

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ。
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