2024年 4月 26日 (金)

コロナ禍の2020年 欧米に比べて感染者少ない日本、それなのに経済は......(下)(小田切尚登)

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

米国株を押し上げ 6社のIT企業は凄かった

   また、コロナ禍でIT関連の株価が上昇した。特にフェイスブック、アマゾン、アップル、ネットフリックス、アルファベット(グーグルの親会社)、マイクロソフトの上昇は凄かった。ウォールストリートジャーナル紙の12月11日の記事によるとこの6社だけでS&P500の25%近くを占めているが、6社が2020年9月までのインデックスの上昇の77%を占めていたという。

   何のことはない、アメリカで株価が大幅に上昇したとは言っても、ごく一部のIT大手企業の株価が上がっただけだったということだ。これらの株価を持っていない人にはあまり関係のない話であった。

コロナ倒産に見舞われ、失業という人も......
コロナ倒産に見舞われ、失業という人も......

   日本では年初に2万3000円台で始まった日経平均株価が3月19日には1万6358円の最安値をつけた。しかしその後は盛り返し、12月29日(終値)には2万7568円にまで上昇した。

   ともあれ、金融緩和の流れの中でITの株価は上がり、不動産価格も全体的に値上がりした。商品相場も原油が下がった以外はたいてい株価の商品で上昇し、金や銀も上がった。

   そして、金融関係者の度肝を抜いたのがビットコインの急上昇だった。秋口から上昇が始まり、12月には驚異の2万8000ドル超えを記録した。これは市場に資金がジャブジャブに集まったために起きた現象だが、今後ビットコインがれっきとした投資対象として定着するようになるのか、それとも一時のバブルの夢物語で終わってしまうのか、注目される。

   2020年は全体として株価も債券価格も不動産価格も、商品価格も上昇した。多くの投資家にとっては(途中で怖い時期もあったものの、結果的には)良い年であった。文字どおり「あけましておめでたい」投資家がたくさん出没した新年となった。(小田切尚登)

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ。
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