2022年 7月 4日 (月)

若手サラリーマンが定額給付金の「おかわり」に反対すべき理由(城繁幸)

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   緊急事態宣言の再発を受け、ネット上では一律の定額給付金の再支給を求める声がチラホラと出始めている。

   前回の支給分がほとんど貯蓄に回ったため、政府は「おかわり」には否定的だが、緊急事態宣言が長引けば、どうなるかはわからない。

   ただ、筆者は一律の給付金には基本的に反対の立場だし、特に本連載の主な読者であろう若手のサラリーマンは強く反対すべきだと考える。いい機会なのでまとめておこう。

  • 定額給付金の「おかわり」を喜んでいる場合ではない!?
    定額給付金の「おかわり」を喜んでいる場合ではない!?
  • 定額給付金の「おかわり」を喜んでいる場合ではない!?

定額給付金は現役世代から高齢者への「お年玉」

   今回のコロナ禍で経済的ダメージを受けているのは、「自粛生活」で給料の減っている現役世代だ。年金は減っていないのだから、高齢者に給付金を支給する意味はまったくない。

   しかも、そのツケは現役世代が負担することになる可能性が高い。実際、東日本大震災の復興にともなうコストは、復興特別所得税という形で2037年まで現役世代が負担することが確定している。

   現役世代とひと口でいっても、所得を完璧に捕捉されているサラリーマンが主な担い手と言っていいだろう。

   試しに、SNS上で「定額給付金のおかわり」を熱心に主張しているアカウントをよく見てみるといい。無職とまでは言わないが、恐らく雇用労働者ではないだろう。

   サラリーマンはほとんど知らないと思うが、自営業者のほとんどは持続化給付金という形で最大100万円を、すでに受け取っているし、飲食店なら一日6万円の協力金も受け取れる。

   そのうえで、彼らはさらなるバラマキをリクエストしているわけだ。彼らはそれらの請求書が、少なくとも自分たちのところにはこないことをよく理解しているのだろう。

サラリーマンが要求すべきは社会保険料の減額

   そこで提案だが、サラリーマンとしては社会保険料の減額を要求してはどうだろう。1990年代以降、消費税の引き上げを抑制するしわ寄せとして社会保険料は高騰し、すでに30%弱にまで達している。

   これをたとえば1年間の期間限定で20%ほどに引き下げ、手取りを増やすわけだ。ほとんどの人は月1、2万円手取りが増えるはずなので、こちらのほうが一回こっきりの給付金などより、よほどありがたいはず。

   そして、この話には続きがある。多くのサラリーマンはおそらく「自分たちはこんなに天引きされていたのか!」という事実に覚醒するはずだ。

   となれば、たぶん期間終了が近づけば、大きな議論となるだろう。元の天引き額に戻してサラリーマンだけが社会保障を支えるのか。それとも高齢者の医療費の自己負担などを増やすのか。あるいは消費税という形で(高齢者、自営業者も含めて)社会全体で広く薄く負担するのか。

   覚醒したサラリーマンは、高齢者と並ぶ一大勢力となるだろうから、政治も無視はできないだろう。

   余談だが、本来上述のようなポジションは、民主党がつくはずだったものだ。民主党は左に急旋回して空中分解してしまったため、現在そのポジションは空いたままだ。

   無党派層に支持基盤を広げたいという政党なら、狙って損はないポジションだと思うがいかがだろう。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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