コロナ禍、高まる「生活防衛」意識 対策として始めたことは......

   新型コロナウイルスの感染拡大の中で、消費者の「生活防衛」の意識が高まっており、そのことが「投資」を始めるきっかけになっていることが、家計簿アプリや会計ソフトなどの株式会社マネーフォワード(東京都港区)の調査でわかった。2021年2月10日の発表。

   「NISA(少額投資非課税制度)」や「積み立てNISA」を始める人が多かった。

  • コロナ禍のなか、生活防衛の意識が高まり投資に注目
    コロナ禍のなか、生活防衛の意識が高まり投資に注目
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生活防衛の意識、8割が「高まった」

   調査によると、「新型コロナウイルスの影響で、生活防衛の意識が高まったか」の問いに、39%が「高まった」と答え、41%が「やや高まった」と回答。コロナ禍のなか、8割の人が生活を守るための意識を高めていた。「高まっていない」は4%、「あまり高まっていない」の13%とは、大差の結果となった。

コロナ禍で生活防衛の意識が高まった
コロナ禍で生活防衛の意識が高まった

   「生活防衛の意識が高まった」「やや高まった」と答えた人のうち、生活防衛策として19%が「投資を始めた」と回答。また、32%が「投資資金を増やした」と答えた。10%が「貯金を始めた」と答えた。「コロナ禍で生活防衛の意識が高まったことが、投資や貯金を始めるきっかけになったと考えられる」とマネーフォワードはみている。

   新たに投資を始めた人のうち、74%が選んだのは「NISA・積み立てNISA」だった。政府は「貯蓄から投資へ」とスローガンを掲げて取り組みを続けているが、その代表的な政策がNISAだ。

   今回の調査では、「(投資を)始めた」「資金を増やした」を合わせ、生活防衛の意識が高まった人のうち、約半数が「投資」を選んでおり、コロナ禍が政府の狙いである投資への注目を高める機会になったもよう。

   金融庁は2020年度の税制改正で、国民の安定的な資産形成を支援するためNISA口座の開設可能期間を延長するなどNISA制度を見直す方針。マネーフォワードでは「今後も引き続き『NISA・積み立てNISA』への関心が高まることが予想される」としている。

   また、調査で生活防衛の意識が高まった人のうち、88%が「コロナ収束後も、生活防衛を継続したい」と回答していることも根拠の一つだ。

   さらに、調査ではコロナ禍前との支出の違いについても質問。前年と比較して2020年に減少した支出は、交際費の78%が最多。次いで趣味・娯楽費が49%、交通費の46%の順。増加したのは、水道・光熱費が51%、食費49%、日用品が27%だった。「支出」について、47%が「コロナ禍が収束しても、支出状況はもとに戻らない」と回答した。

   なお調査は、マネーフォワードの家計簿アプリ「マネーフォワード ME」の利用者を対象に、2021年1月29~31日にインターネットで実施。3957人から回答を得た。

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