先日、米英のテレビで放映されたハリー王子とメーガン妃の独占インタビューが大変な騒動を引き起こしています。英王室離脱後初めてのテレビインタビューとあって、放映前から「何をしゃべるのか?」と注目を集めていましたが、ふたを開けてみたら英王室の「人種差別疑惑」などを暴露する超ド級の衝撃度!海外メディアはこぞって「bombshellrevelations」(爆弾を落としたような暴露)と興奮しています。米英両国で2800万人が観たとされるこのインタビュー。ここにきてメーガン妃側の「メディア介入疑惑」が浮上するなど、まだまだ熱いドラマが続いています。英米メディアが対立?「親メーガン派」VS「ボコボコ派」それにしても、ここまで赤裸々に語るとは、誰が予想したでしょうか?英国王室を離脱したメーガン妃が英王室での「苦悩」を暴露したテレビインタビューは、英王室との確執を決定的にしただけではなく、差別反対運動や諸外国との外交にまで飛び火しかねないほどの破壊力を発揮しています。英王室での人種差別的な発言に傷ついたり、自殺を考えたりしたこともあったというメーガン妃の「衝撃告白」に対して、比較的同情的なスタンスの米国では、本国英国メディアを皮肉るような、挑戦的な見出しが目立っています。U.K.PressHasHystericalReactiontoOprahWinfrey'sInterviewwithMeghanMarkleandPrinceHarry(英国メディアは、オプラ・ウィンフリーのメーガン妃とハリー王子のインタビューに、ヒステリックになっている:米ネットメディア)Britain'snotorioustabloidpresswasapoplecticwithragetowardMeghanMarkleandPrinceHarryaftertheirbombshellinterview(英国の悪名高きタブロイド紙は、メーガン妃とハリー王子の爆弾インタビューに対して卒倒しそうなくらい激怒している)BritishtabloidsarehammeringMeghanandPrinceHarry(英国メディアは、メーガン妃とハリー王子をボコボコに叩いている:米CNN)hammer:ハンマーでたたく、ボコボコにする実際、インタビュー放映後の英国メディアは、まさに「メーガン爆弾」一色の様相を呈していて、インタビュー翌日の大衆紙デイリーメールのウエブサイトでは、上位31のニュースのうち30がメーガン妃関連の記事だったと報じられているほどです。一方、現在メーガン妃とハリー王子が暮らす米国では、メーガン妃の「告白」を「勇気ある行動」とたたえる声が目立ちますが、米ホワイトハウスの報道官が「心の葛藤や自身の経験を人前で語るのは、勇気がいることだ」と述べたことに対して、たちまち英メディアが反応。「ホワイトハウスまで議論に加わった」と、なかばあきれたような見出しが躍りました。EventheWhiteHouseisweighinginonMeghanMarkleandPrinceHarry'sexplosiveinterview(ホワイトハウスまでもが、メーガンとハリー王子の独占インタビューに意見を言っている:英デイリーメール紙)weighin:意見を言う、議論に加わるさらに米国では、歌手のビヨンセや女子テニスのスーパースターセリーナ・ウイリアムズらのセレブが相次いで「メーガン妃支持」を表明。メーガン妃が放った爆弾は、米英両国の世論を深く切り裂いてしまったようです。メーガン妃とハリー王子は「わざとやっている!」インタビュー放映直後は王室擁護の論調が目立っていた英国でしたが、時が経つにつれて「人種差別反対運動」への広がりを見せています。メーガン妃に対して否定的なコメントをした著名テレビ司会者が突然番組を降板して世間を驚かせたり、タブロイド紙のジャーナリストが辞職に追い込まれたりしています。また、カナダやオーストラリアといったイギリス連邦に属する国々では、「英王室の人種差別は許せない」「直ちに連邦から脱退せよ!」といった感情的な意見がSNSをにぎわせています。メーガン妃と英王室との確執は、ゴシップから社会問題に発展してしまったようです。そんななか、英タブロイド紙のサンが、メーガン妃サイドの「メディア介入」を暴露するスクープを放ち、新たな火種となっています。MeghanandPrinceHarryarefacingamountingbacklashfortellingtheBBChowtoreporttheirtell-allinterview(メーガン妃とハリー王子は、暴露インタビューをどのように報じるべきかをBBCに告げていたことが明らかになり、炎上している)faceabacklash:反発に直面するサン紙の報道によると、「暴露インタビュー」が英国で放映される直前に、メーガン妃とハリー王子の広報チームが英BBC放送に対して、インタビューを「impartial』(公平に)報じるようにわざわざ「警告」したそうですが、「白人の年配男性コメンテーターだけを使うな」といった具体的な指示もあったとか。これに対して、「ここは英国だ、中国じゃないぞ!」「ジャーナリズムに介入するな!」といった大反発がわき起こっているそうです。今回の一連の「メーガン妃騒動」を、英BBC放送の王室ジャーナリストは「HarryandMeghanrattlemonarchy'sgildedcage」(ハリーとメーガンはわざと王室を怒らせている)と表していて、なんとなく「炎上商法」を連想させる意味深なタイトルです。それでは、「今週のニュースな英語」は、「rattlesomeone'scage」(~をわざと怒らせる)を取り上げます。(かごをガタガタさせて)「誰かを怒らせる」「イライラさせる」といった意味で使います。Idon'twanttorattlehercage(彼女をあえて怒らせたくない)Idon'twanttorattlehercagebeforemeeting(会議の前に、彼女をあえて怒らせたくない)Whorattledhiscage?(誰が彼をイライラさせたの?)怖いのは、世論は一瞬で風向きが変わりますし、メディアも一瞬で態度を豹変させることです。昨日の味方は今日の敵......。メディアや世論を「操る」のは不可能ですし、英王室を「人種差別問題」に引きずり込むのは危険すぎます。メーガン妃とハリー王子夫妻がメディアや世論の本当の恐ろしさを知るのは、これからでしょうか。メディアに踊らされることなく、平穏な日々を取り戻して欲しいと願います。(井津川倫子)
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