2021年 9月 19日 (日)

「島根の乱」に続き「山梨の乱」、そして「五輪ボランティアの乱」 緊急事態宣言解除してもニッポンお先真っ暗(1)

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   新型コロナウイルス対応で首都圏の1都3県に出ている緊急事態宣言が2021年3月21日に期限を迎える。延長か、解除か。東京都、埼玉県では下げ止まりどころかリバウンドの傾向さえみられるが、政権の意向は「解除が大勢」とメディアの多くが伝える。

   そんななか、政府のコロナ対策をめぐり、「島根の乱」に続き「山梨の乱」が起こった。東京五輪でも「ボランティアの乱」が広がっている。大丈夫か、ニッポン?

  • 菅義偉首相は「緊急事態宣言」を解除するのか
    菅義偉首相は「緊急事態宣言」を解除するのか
  • 菅義偉首相は「緊急事態宣言」を解除するのか

政府高官「宣言を延長しても感染者は減らない」

   緊急事態宣言を解除するのか、延長するのか。3月21日に期限が迫るなか、15日の参院予算委員会で菅義偉首相は、立憲民主党の福山哲郎氏の質問にこう答えた。

「2週間延長した際には、病床の逼迫を改善したいというのが主な理由だった。飲食店に絞って対応したが、約8割の発症者が減ってきている。そこは非常に効果があったと思っている」

と、宣言の効果に自信を見せたうえで、

「ここにきて(新規感染者の)下落率が横バイの状況になってきている。もう少し様子を見て、専門家の意見を聞きながら最終判断をしたい」

と述べたのだった。

   しかし、主要メディアの多くは「解除というのが政権内の大勢」という見方で一致している。

   読売新聞(3月16日付)「緊急事態、政府内から『延長しても感染者は減らない』の声... 18日にも解除かどうか決定」は、こう伝える。

「4都県では病床使用率の指標に改善が見られ、解除基準は満たしている。政府内では『さらに延長してもこれ以上感染者は減らない』(高官)として、解除論が大勢となっている。政府は3月18日、専門家でつくる諮問委員会に解除の可否を聞いた上で、解除方針が決まれば同日中に政府対策本部で決定する」

   その際、解除後の感染再拡大防止に向けた4本柱の対策も打ち出す予定だ。

(1)ワクチン接種の推進
(2)変異したウイルス対策の強化
(3)監視のための検査拡充
(4)医療提供体制の充実、を盛り込むという。

首都4都県の結束を乱す「神奈川・黒岩知事の乱」

   これで大丈夫なのだろうか――。ここで、首都圏の感染状況をざっとおさらいしておこう。東京新聞(3月16日付)「南関東の感染増加傾向 東京・埼玉延長前より悪化」によると、こうだ。

「1週間の新規感染者数を前週と比べた指標は、『1』を超えると増加を示す。東京は1.10、埼玉は1.19だった。千葉は0.86、神奈川は0.93だったが、大幅な減少傾向になっていない。この指標を宣言延長前だった3月7日時点と比較すると、東京と埼玉は状況が悪化している。病床全体の使用率は、3月14日時点でいずれも(解除の目安の一つである)ステージ3(感染急増)相当となり、改善傾向を示した」

   ただし、東京都は3月16日に新規感染者が300人となり、8日連続で前週の同じ曜日を上回った。

高齢者の「昼カラオケ」から変異株のクラスターが(写真はイメージ)
高齢者の「昼カラオケ」から変異株のクラスターが(写真はイメージ)

   こうしたなか、首都4都県の知事が解除に対して、意見がバラバラの分裂状態を示した。NHK(3月15日付)「解除要請で意見分かれる 緊急事態宣言の埼玉・千葉・神奈川」が、こう伝える。

「埼玉県の大野元裕知事は記者団に『リバウンドの兆候を示していて、残念ながら緊急事態宣言の解除を要請する状況に至っていない』と述べ、解除の要請をする考えがないことを示した。千葉県の森田健作知事は(高齢者の昼カラオケで変異株のクラスターが確認されたことを発表)、記者団に『もう大丈夫と判断することにはならない』と述べた」

   つまり、埼玉県と千葉県の知事は、事実上、「まだ解除は早い」という判断を示したのだ。ところが、神奈川県の黒岩祐治知事だけは強く「解除」を訴えた。NHKがこう続ける。

「黒岩知事は記者団に『神奈川だけを見ると解除できる条件が整っている。街の様子を見ても、皆さんの様子を見ても、もう我慢しきれないという状況だ。宣言そのものの効果が薄れてきている』と話した」

   1都3県の「要」である東京都の小池百合子知事はどうか――。

「小池知事は『感染しない、感染させないという基本的な対策を守ることを意識しながら行動していただきたい』と呼びかけた」

   解除の可否については言及を避けたのだった。

尾身茂会長「見えない感染源がある」

宣言の解除では本質的な解決にならないと危機感をあらわにする尾身茂会長
宣言の解除では本質的な解決にならないと危機感をあらわにする尾身茂会長

   こうした安易な「解除」あるいは「延長」の動きに対して強い疑問を投げかけたのが、政府の対策分科会の尾身茂会長だ。朝日新聞(3月15日付)「首都圏下げ止まり『見えない感染源があるのでは』尾身氏」が、こう報じる。

「感染の急増が指摘されている新型コロナウイルスの変異株への対策について、政府の対策分科会の尾身茂会長は3月15日の参院予算委員会で『今までのままでの(宣言の)延長ではなかなか難しい』との見解を示した。そのうえで、『変異株が感染拡大のスピードを加速するという可能性を、最悪の状態を考えてやらないといけない』と述べた」

   尾身氏は、首都圏が感染の下げ止まりの状態になっていることについて、こう語ったのだ。

「クラスターが今、以前よりかなり多様化している。以前は接待を伴う飲食店が中心だったが、今は(高齢者のカラオケなど)いろいろな場所、職場で起きている。見えない感染源があるというのが我々の判断だ。そのことを放置したまま、ただ延長、また解除をしても本質的な解決にならない。しっかりとした現状の把握、検査、調査が非常に重要だ。解除後も、何が一番肝で、何に集中するかというはっきりしたメッセージを国と自治体が出さないと、一般市民の協力を得られない」

   ただ、その一般市民が「宣言疲れ」なのだろうか、すっかり緩んでしまっているのは確かだ。産経新聞(3月16日)「『宣言疲れ』か 日曜昼の人出、お台場・箱根で2月末から4割増」が、3月に入って首都圏で人出がどっと増えている現状を、こう伝えている。

「東京や神奈川の観光地の日曜の昼の人出が、2月末から4割増加したことが3月15日、スマートフォンの位置情報を基にした人出データの分析で分かった。宣言から2か月以上がたち、『宣言疲れ』が生じている可能性がある。東京で桜が開花する花見シーズンを列島は迎え始めており、感染のリバウンドも警戒される」

   システム会社「アグープ」(東京)のデータを基に、緊急事態宣言が出されて初の日曜日である1月10日の人出を100%として、日曜15時の人出の推移を比較した。3月14日の人出は東京(お台場)、神奈川(箱根)などの観光地は宣言後の最多を記録した。お台場では人出が2月末と比べると4割増加し、宣言直後の167%に増えた。箱根町でも1月中旬は半分以下に下がったが、2月末から4割増加。宣言直後の人出を上回る105%になったという。

(福田和郎)

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