2024年 4月 26日 (金)

2050年「CO2ゼロ宣言」とは何なのか! やる気がゼロ?の菅政権【震災10年 いま再び電力を問う】

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日本の電力の未来像

飯田哲也さんは「電力の未来像は『インターネット』のようなものになる」と話す。
飯田哲也さんは「電力の未来像は『インターネット』のようなものになる」と話す。

――電力の未来は、どのようになるのでしょうか?

飯田さん「電力の未来像は、ひと言で『インターネット』のようなものになると思います。インターネットの初期に、無数のプロバイダーが出現しては集約されてきました。たとえば太陽光発電も、インターネットと同じようにベースのインフラが作られていくと予想します。電力そのものは、電力会社が巨大な火力発電所や原子力発電所でつくる必要はなく、いざとなれば自宅での太陽光発電や蓄電池などで足りるという、選択肢が多く柔軟なものになっていくと思われます。それはインターネットのように『意識しなくても使える』存在に近いものといえるでしょう。
そして、電力の未来像からみると、意識しなくても使える電力が何かというよりは、電力そのものが『何のためにあるか』というテーマを問い直さなければならないと思います。インターネットの場合では、プロバイダーが光回線でもどこでも、それを利用して『自分の生活、人生、仕事にどう生かすか?』がテーマになります。
では、電力の場合はなにがテーマになるのか。それは『人間の幸福な暮らしを支えるベース』であることではないでしょうか。たとえば、住宅ではスカスカで断熱が十分でない住宅では、冬はストーブや暖房をつけて無理にでも暖めなければなりませんが、断熱がしっかりしていれば家は暖かく、エネルギーを使わなくても快適に暮らせます。
エネルギーが自分たちの幸福な、不安のない暮らしにどう役立っていくのか? そのようなインフラとして広がっていくのが電力の未来像だと思います。そして、意識しないフレキシブルな電源として提供できる電力は、やはり自然エネルギーであり太陽光エネルギーなのです」

(聞き手 牛田肇)


プロフィール
飯田哲也(いいだ・てつなり)
環境学者
特定非営利活動法人 環境エネルギー政策研究所 所長

京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻修了。国際的に豊富なネットワークを持ち、21世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク(REN21)理事、世界バイオエネルギー協会理事、世界風力エネルギー協会理事などを務める。2011年3月の福島第一原子力発電所の事故発生以降は、経済産業省資源エネルギー庁、総合資源エネルギー調査会基本問題委員会委員(~2013年)や内閣官房原子力事故再発防止顧問会議委員(~2012年)、大阪府、大阪市特別顧問(~2012年)など、政府や地方自治体の委員を歴任。日本を代表する社会イノベータとして知られ、自然エネルギーの市民出資やグリーン電力のスキームなどの研究と実践と創造を手がけ、いち早く「戦略的エネルギーシフト」を提言した。
主な著書に「エネルギー進化論」(ちくま新書)、「エネルギー政策のイノベーション」(学芸出版社)、「北欧のエネルギーデモクラシー」、共著に「『原子力ムラ』を超えて ~ポスト福島のエネルギー政策」(NHK出版)などがある。
1959年、山口県生まれ。

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