「マスク越しなじみのレジのいい笑顔」――。日本チェーンストア協会が募集した「うれしい!たのしい!お買い物!チェーンストアお買い物川柳」の金賞作品の1句だ。同協会が2021年3月29日に発表した。延べ1万2719人から5万句を超える募集があり、一般の部の入賞者100人、小学生の部の入賞者51人の作品が選ばれた。「お買い物川柳」は今回で9回を数えるが、コロナ禍でも買い物を精一杯楽しもうという、消費者の姿が見えてくる。一般の部の金賞作品を見ると、「メモ書の外は買うなと妻のメモ」【徳島県・西田修身】「マスク越しなじみのレジのいい笑顔」【東京都・みらいむ】「ポイントもカゴの重さも5倍デー」【神奈川県・Akiki】「買いものにマスク不要の春よ来い」【静岡県・春爺】「うれしくてレジにも告げる子の帰省」【東京都・ハルル】「セルフレジひとり暮らしに慣れた父」【茨城県・てーちゃん】「母になり恋しくなった母の味」【東京都・新米ママ】「楽しみは舌で旅する産地フェア」【埼玉県・まかろに】「レトルトも総菜も駆使母の味」【東京都・おいまる】「訳ありは個性なんだとカゴに入れ」【埼玉県・花ひらく】「マスク」をしながらも楽しく買い物をする光景やセルフレジなどの新しい技術を表現したものも少なくなかった。銀賞、銅賞作品を含めると、帰省や旅行をすることができなかったことを、買い物で紛らわせる句や地産地消をうたった句もあった。小学生の部の優秀賞からいくつか抜粋すると、「伝わるよマスクの奥にある笑顔」【北海道・なはくん】「カゴ持つよあいた右手をつなぎたい」【熊本県・めるしー】「ありがとうマスク越しでも伝わる声」【大阪府・タッピー】「セルフレジ並んだじいじかっこいい」【千葉県・まいちゃん】「レジ並び前へならえで密回避」【愛知県・ウサウサ】日本チェーンストア協会で開かれた選考会の模様日本チェーンストア協会では、「新型コロナウイルスの影響は、小学生の部の作品にも多く見られ、「マスク」「自粛」などが小学生にとっても日常となっていることを強く感じました」と講評している。また、コロナ禍でのコンテスト開催となり、例年の応募数には至らなかったものの、非常時における「ライフラインとしてのチェーンストア」の大切さを表現した作品が多く見られた、としている。一般の部の金賞作品には審査員をつとめたイラストレーターの上大岡トメさんが句の情景を描いたイラストを、4月下旬に協会ホームページで公表する予定だ。
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