2024年 4月 24日 (水)

国会議員よ、選挙のためにそこまでやるか! ワクチン接種で割り込む「上級国民」多すぎ!

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   国民一人ひとりの命のために、一刻も早く接種したい新型コロナウイルス対策のワクチン接種だが、各地で大混乱が発生。予約すら満足に取れない大渋滞が起こっている。

   そこへ割り込こもうと虎視眈々と狙っている「上級国民」がいる。国会議員だ。国会議事堂を「職場接種」の場にしようというのだ。

   ネット上では、激しい怒りの声が殺到している。

  • 国会議事堂が「特別接種会場」になる?
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企業の職場接種と同じ「国会接種」という理屈

   与野党を問わず、国会議員が秘かに「優先接種」しようと動いているという。時事通信(5月16日付)「どうする? 高齢議員ワクチン 『国会』接種、対応に苦慮 与野党」が、こう伝える。

「新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け接種が本格化するなか、65歳以上の国会議員を対象にした集団接種を行うかどうか、与野党が頭を悩ませている。感染対策のため地元に戻れない議員が多く、国会に会場設置を求める意見がある一方、『特権』批判を危惧する声も根強い。高齢議員への対応は現在、衆参両院の議院運営委員会を中心に検討が進んでいる」

というのだ。

   いったいどういうことか。時事通信がこう続ける。

「国会内での集団接種について、関係者は『政府から企業に職場接種の実施を呼び掛けている。国会でも検討したほうがいい』と必要性を強調する。こうした動きについて、70歳代の自民党議員は『国会議員は多くの人と接する。早期に接種できればありがたい』と歓迎。立憲民主党ベテランも『東京から地元に帰りにくい雰囲気がある。接種できれば政治活動の制約がなくなる』と期待する。ただ、高齢者接種の現場では、予約をめぐる混乱が相次ぐ。対象外の自治体首長が先駆けて接種を受けたことへの反発も強く、国会議員向けの会場設置には、与野党から『特権と批判される』『上級国民と言われる』との懸念も漏れる」

   河野太郎ワクチン担当大臣が経済界に呼びかけている「職場接種」の呼びかけが、「国会」という「職場」でも該当するのではないかという、かなり都合のよい理屈だ。

   ただ、「上級国民」という批判が起こることを与野党ともに恐れている。時事通信はこう結んでいる。

「今国会の会期は6月16日まで。その後も東京都議選や次期衆院選など重要な政治日程が続き、議員の動きも活発になる。『世論の様子を見ながら判断するしかない』。自民党幹部は悩ましい胸の内を吐露した」

本音は「政治資金パーティー」のため

   じつはこの「国会接種」、いつあるかわからない衆議院選挙への思惑が絡んでいる。衆議院選挙の準備のためには政治資金パーティーを開いてカネ集めをしなくてはならない。そのパーティーを開くためには事前にワクチンを接種しておく必要があるからだ。

   そんな国会議員たちの露骨な狙いを、産経新聞(5月14日)「『上級国民』批判恐れ、ワクチン接種で悩む国会議員 派閥パーティー批判も」が、こう伝える。

「国会議員がワクチン接種の対応で頭を悩ませている。接種希望者が殺到している最中に(国会で集団接種の)注射を打てば、『上級国民だ』と糾弾されかねないためだ。秋までに行われる衆院解散・総選挙を見据えた『軍資金』集めとなる自民党各派閥の政治資金パーティーも『コロナ禍にけしからん』との批判を避けるため、開催時期をずらす動きが出てきている」
国会議員が早くワクチンを打ちたいのは選挙のため(写真はイメージ)
国会議員が早くワクチンを打ちたいのは選挙のため(写真はイメージ)

   実際、今年1月に自民党本部の全職員を対象にPCR検査の実施を決めた際にも国民の一部から不満の声が寄せられた。党幹部は「国民と全く同じルールでやったとしても『特権階級』と攻撃される可能性がある。少し落ち着いてからワクチン接種したほうがいいかもしれない」と語る。

   産経新聞は、こう続ける。

「高齢の国会議員については、集団感染が立法府の機能低下を招く懸念があるため、国会内の施設を使った接種も水面下で検討されている。しかし、接種の申し込みが殺到し、混乱が生じている地方自治体が少なくない中、『特別扱い』と批判されることを心配する国会議員もいる」

   つまり、選挙のための政治資金パーティーを開くためにワクチン接種は欠かせないのに、「特別扱い」と批判されては逆に選挙にマイナスになる。その政治資金パーティーもいつ開けるかわからなくなってきた。産経新聞はこう結んでいる。

「自民は政治資金パーティーの対応にも苦慮する。岸田派は5月19日に行う予定だったが、コロナ禍での開催が批判を招きかねないこともあり7月8日への延期を決めた。党内7派閥のうちパーティーを行ったのは4月の麻生派のみで、岸田派以外の5派は6月を予定している。ただ、パーティーで感染者を出せば批判されかねない。ある派閥のベテランは『しばらくパーティーを開くのは難しいのではないか』と悲観的に語った」

「秘書を使わず自分で予約してみたらいい」

「国会議員の特別扱いはしない」と言っていた二階俊博幹事長だが...
「国会議員の特別扱いはしない」と言っていた二階俊博幹事長だが...

   こうした国会議員の「特別扱い接種」の動きは、今年4月12日から65歳以上の一般高齢者のスタートした頃から、水面下で始まっていた。自民党の公式サイトをみると、4月12日の二階俊博幹事長記者会見で記者が、こう探りを入れている。

「フジテレビです。(高齢者の接種が始まり)これから国会議員の方の中にもワクチン接種の対象になる方が出てくると思いますが、国会議員のワクチン接種についてはどうあるべきだと思いますか」

   これに対して二階幹事長はムッとしたように、こう答えたのだった。

「国会議員であろうがなかろうが皆同じですから、しかるべく対応したいと思います。国会議員だからといってどうだと、そんなことは考えておりません」

   その言やよし。ぜひ守ってほしいものだ。

   一方、インターネット上では、国会議員の「特別扱い接種」について、知事の「優先接種」とはまったく逆に、猛批判の嵐が吹きまくっている。

「国会議員は、地元の各都道県庁には『7月末までに終わらせろ!』と再三に渡って圧力をかけている。国会じゃなくて、国民と同じ地元の集団接種を受けて、自分で予約の電話をかけてみるといい。いかに国民目線からかけ離れた政策を自分たちで決めたことか、問題点がよくわかるでしょう。もっとも結局、秘書にやらせるのだろうが...」
「私は、政令市ではないのでネット予約はなしです。先週の予約は1日で満杯終了。今週1日目は電話3回まったく通じず。明日再度電話する予定です。65歳以上の国会議員さんは、私たち65歳以上の国民と同じように、電話、パソコン、パブレットを手に予約をしてほしい。そして、接種券が届いたらワクチン接種をしてください。改善案が思い浮かんだら、ぜひ提案をお願いします」
「閣僚や地方自治体の首長は優先的に接種しても良いと思うけど、ヒラの国会議員は一般の国民と平等でいいと思います。優先するに値する仕事をしているとはとても思えません」
「国会議員が地元に帰りにくいというのなら、現在滞在している所で接種ができるような制度に変えてほしい。国会議員に限らず、地方に戻りにくくて苦慮している人は他にもいるはずです。議員だけ特別扱いするのは絶対に許せない」
「国会議員の中にも医師免許を持っている人がたくさんいますので、その人たちに自衛隊の集団摂取に協力していただく前提でワクチンを打ったらもらったらよいのではないでしょうか」

   最後にこんな声を紹介したい。

「『あわてなくても必ず打てます』と河野担当大臣が言っているのだから、順番のルールにそって粛々と行えばよいのです。まさか、早く政治資金パーティーをやりたいからのワクチンだったりして!」

(福田和郎)

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