2024年 5月 10日 (金)

セブン-イレブンの米コンビニ買収に待った! まさかの独禁法違反で計画撤回のピンチ?

セブン&アイ、時価総額の半分もの巨費を投じる大勝負

   今回の声明は組織としてのFTCの決定ではなく、委員の声明で、法的な拘束力はないとされる。とはいえ、調査継続を明言している以上、セブン&アイ側は徹底抗戦するか、協議して「条件闘争」の形になるか、対応を考えることになる。

   セブン&アイHDは声明に反発しているものの、FTCと協議を継続する方針とされ、当局の動き次第では今後、一段の店舗網の売却など、買収規模の実質的な縮小を求められる可能性がある。

   そこで気になるのは、一連の動きの背景に、政治の影もちらつくことだ。米国では、政府機関の委員などは党派性がはっきりしている場合が少なくない。今回の声明を出した2人の委員は、民主党系。この声明に対し共和党系の2人の委員は「買収の当事者を拘束するものではない」との別のコメントを出している。

   現地からの報道では、FTCのスタッフがセブン&アイ側と協議し、詰めた内容(293店の売却など)について、4委員の意見がまとまらなかったということのようだ。

   ただ、共和党系の委員も買収自体に批判的ともいわれ、事情は複雑だ。さらに、バイデン大統領は空席になっている5人目の委員を指名する見通しで、民主党系が3人になればセブン&アイに厳しい姿勢が強まるとの観測もある。

   セブン&アイHDが、時価総額の半分に匹敵する巨費を投じる乾坤一擲の大勝負。最終決着には、まだ時間がかかりそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)

姉妹サイト

注目情報

PR
コラムざんまい
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中