まだまだ増える中小企業の合併・買収だが...... 日本M&Aセンターに悩む(慶応義塾大学 すんぴぴ)【企業分析バトル】

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   みなさん、こんにちは。すんぴぴです。

   今回は、東証1部上場でM&A(企業の合併・買収)仲介の日本M&Aセンター(2127)に注目しました。同社は、情報を集中的に握っているプラットフォーム企業といえます。

   一般的に、M&Aには買い手と売り手の両方にFA(フィナンシャルアドバイザー)が付きますが、売り上げ規模が小さい企業の案件では買い手と売り手の両方を担当する「仲介形式」が取られることもあります。

   そのM&A仲介業界の中で、国内では2位以下に3倍以上の差を付けて圧倒的な首位にあります。

  • 中小企業のM&Aが増えている(写真はイメージ)
    中小企業のM&Aが増えている(写真はイメージ)
  • 中小企業のM&Aが増えている(写真はイメージ)

「ちょっと見えない部分がある」......

   M&A仲介業は、コンサルティング業界とも似ていますが、経費がほとんど人件費しかかかっていないので、営業利益率はおよそ50%を維持できています。

   そして、本業のM&A仲介で得た利益をプライベート・エクイティ(PE)ファンドやベンチャーキャピタル(VC)などの企業投資に回していて、フローとストック両方の収益が見込めるビジネスモデルとなっています。

   また、グループ企業にあるバトンズでは、インターネットで完結できるM&Aシステムを開発しています。現在はまだ論点の少ない零細企業の取引に限定されているようですが、ここからうまくいけば圧倒的に安い手数料を武器に、さらにシェアを伸ばしていく可能性があると思います。

   自社内で食い合う可能性のあるサービスに関しても積極的に進めていることは、じつは難しいと思っているので、好感の持てる部分ではあります。

   ただ、株価周りの数値を見てみると、PER(株価収益率)が85~90倍を推移しています。金融業界が20倍前後ということと比べると高く見えますが、中小企業のM&Aが今後5倍ほどになるのであれば、妥当性のある数字にはなります。

   とはいえ、ここの将来予想は判断の分かれるところですが、たとえば、構造的な問題として仲介は買い手優遇になりやすく、その構造を国が規制しようとしていることや、インセンティブ制の給与体系なので、言い方は悪いですが取引の成立を最優先にした持営業スタイルになっていないかなど、筆者はちょっと見えない部分があるので、今回は購入せず注視していきたいと考えています。

   では、また!

日本M&Aセンター(2127)
年初来高値(2021年1月 6日)   3545円
年初来安値(2021年5月13日)   2540円
直近の株価(2021年7月26日)   3115円

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