2024年 4月 29日 (月)

「緊急事態宣言は効果ナシ」 尾身茂会長「日本もロックダウンを」に「あんたが言うか!」と怒りの声

   新型コロナウイルス感染症の新規感染者が東京都で5000人を突破。デルタ型変異ウイルスの容赦のない攻撃に手を付けられない状態だ。

   そこで飛び出したのが「ロックダウン(都市封鎖)」を日本にも導入する議論を始めてはどうか、という意見。政府の新型コロナウイルス分科会の尾身茂会長が言及したのだ。

「緊急事態宣言など何の役にも立っていない」

というわけだが、インターネット上では「コロナ対策責任者の一端を担う、あんたが言うか!」と猛反発が起こっている。

  • 「日本にもロックダウンを」と主張する尾身茂会長
    「日本にもロックダウンを」と主張する尾身茂会長
  • 「日本にもロックダウンを」と主張する尾身茂会長

尾身茂会長「緊急事態宣言はもう効果がない」

   政府の新型コロナウイルス分科会の尾身茂会長の「ロックダウン待望発言」は2021年8月5日、政府の基本的対処方針分科会で、まん延等防止措置を8県に追加する政府方針を了承した後に飛び出した。

   会議室から出て来た尾身会長が、記者団に会議の内容を説明する過程で、「(政府方針の)趣旨は理解したが、今宣言を出しているところでさえ期待されている効果が出ていない」と語る中で、ロックダウンに触れたのだ。

   朝日新聞(8月6日付)「尾身氏『ロックダウン法制化の議論も』 感染拡大続くなら」が、こう伝える。

「尾身茂会長は8月5日、感染が爆発的に広がる現状を脱せない場合、ロックダウン(都市封鎖)の法制化に向けた議論をせざるを得なくなるとの認識を示した。記者団に『ロックダウンみたいなことを、法制化してくださいというようなことさえ議論しなくちゃいけないことになる』と述べた。
現状について尾身氏は『緊急事態宣言を出しても、もう期待される効果がない』と指摘。『関東地方ではどんどん感染の拡大スピードが上がって、医療のひっ迫がかなり厳しい状況だ』としたうえで『にもかかわらず、メッセージが伝わらない』と危機感を示した」
感染大爆発の変異ウイルス(写真はイメージ)
感染大爆発の変異ウイルス(写真はイメージ)

   ロックダウンをめぐっては、全国知事会が8月1日にテレビ会議を開き、お盆の帰省を含め夏休み中は都道府県境をまたいだ移動を原則として中止・延期とすることを国民に呼び掛けるよう国に求める提言をまとめた。 その中で、感染防止対策の実効性を上げるため、さらに強い措置として「ロックダウンのような手法の在り方」の検討を要請した。

   しかし、政府は導入に否定的だ。菅義偉首相は7月30日の記者会見で、「ヨーロッパをはじめロックダウンをしても、なかなか出口は見えなかった」と効果に疑問を呈し、「やはりワクチンだ。日本においてロックダウンという手法はなじまないと思う」と述べている。

   田村憲久厚生労働相も8月3日の会見で「欧米並みの罰則、場合によって逮捕も含めて行うなら、かなり私権を強く制限する法律になる」と、憲法上の問題がからむため、反対の姿勢を鮮明にしている。

   朝日新聞は、

「尾身氏自身も今年6月には『他の国のようにロックダウンできるわけじゃない』と語っていた」

として、つい最近まで「反対」だったと書いている。

   しかし、尾身氏の発言には、さっそく援護射撃する医療専門家が現れた。日本医科大学の北村義浩特任教授だ。スポーツ報知(8月6日付)「東京感染5000人超、ロックダウン法制化議論すべき... 日本医大・北村義浩特任教授」の取材に応じて、こう語ったのだった。

「8月下旬には(東京都の新規感染者は1日当たり)1万5000人を超えているかもしれません。尾身(茂)会長のおっしゃるとおり、実際にやるかやらないかは別としてロックダウンの法制化を議論すべき時にきています。(最初の緊急事態宣言時から)今まで500日間も議論されなかったことが驚くべきことで、いざやるとなっても半年くらいかかるだろうなと思ってしまいますけどね......。
五輪の影響で増えたのではなく、むしろ影響が出そうなのは今週末(編集部注:8月7日)くらいから。五輪が開幕したことで『自粛からお祭りへ』という『楽観バイアス』が生まれ、緩みにつながったことは考えられるので。まん延防止等重点措置の対象地域に8県が追加されましたが、もうツールとして機能していません。むしろ『宣言が出る前に(楽しもう)』という人を生むだけです。『あ、黄色信号だ』と思ってスピードを出すクルマのように。逆効果かもしれません」

と、まん延防止等重点措置の8県追加など、まったく逆効果だと指摘したのだった。

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