2021年 9月 17日 (金)

弁護士が解説! 裁判で勝ったのに、なぜ依頼人は喜ばなかったのか?【尾藤克之のオススメ】

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   弁護士として相手との交渉が多い著者は、「ハーバード流交渉術」を学んだことで、交渉が驚くほどスムーズに運ぶようになりました。

   ポイントは「相手に納得してもらうこと」です。強引に勝つことで遺恨となったり、最速で勝つことで杜撰になったりしては、そもそも勝ったことにはならないと言います。

「7タイプ別交渉術」(谷原誠著)秀和システム
  • ある裁判で弁護士は和解を求めたが……
    ある裁判で弁護士は和解を求めたが……
  • ある裁判で弁護士は和解を求めたが……

ある裁判での出来事

   著者の谷原誠さんが25歳で弁護士になったころ、ある立ち退き裁判で、貸主側の弁護をすることになりました。相手には賃料不払いがあり勝算はこちらにありました。譲歩する必要はないと考え、いっさい妥協をせず強気で交渉を進めましたが、相手がなかなかこちらの主張を認めません。

   谷原さんは、次のように解説します。

「こちらの言い分が正当で相手の反論は論理的に間違っていました。このまま判決になれば、勝訴するだろうと思いました。弁護士の仕事は、裁判で勝つことですから、当然、勝てる裁判では勝訴判決をもらうべきです。ただ、勝訴判決に等しい、少し譲歩した和解なら、応じてもいいと思ってはいました」
「裁判が長引けば、費用も時間もかかりますから、勝算が低いと思えば、早めに交渉や和解したほうがいいはずです。しかし、相手は和解に応じてきません。自分が相手側の弁護士ならば、和解したほうが損失もおさえられるし和解に応じるのに。相手方の弁護士は、そんなことも理解できないのだろうかと考えていました」

   当時の谷原さんは、人間の本質というものを理解していなかったと言います。裁判は判決では勝ったのですが、控訴され、最終的に貸主に明け渡されるまでに2年もかかり、未払い賃料も回収することができませんでした。 谷原さんは、

「私は、弁護士は相手に勝つことが仕事だと思っていました。交渉とは、相手を論破するものだと信じており、自分の主張を押しとおして、相手の主張には論理的に反論し、弱点をついて徹底的にやっつければ、相手は同意するはずだと考えていました。こちらの主張を理解してもらえれば、勝負は決すると思っていました」

と、振り返ります。

「しかし、私が論破できたと思っても、相手は条件に同意してくれず、交渉は決裂を繰り返し、依頼人が満足する結果を出すことができませんでした。『議論には勝っているのに、なぜ相手は負けを認めて同意しないのだろう?』。悩んでいた私は、ある1冊の本に出会ったことで、世界の見方が変わりました。その本の一節には、次のような文章がありました」
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所客員研究員
代議士秘書、大手コンサルティングファームで、経営・事業開発支援、組織人事問題に関する業務に従事。IT系上場企業などの役員を経て現職。現在は障害者支援団体のアスカ王国(橋本久美子会長/故・橋本龍太郎元首相夫人)を運営。NHK、民放各社のテレビ出演、協力、経済誌などの掲載多数。著書は多く、近著に「頭がいい人の読書術」(すばる舎)がある。
経営学修士、経済学修士。東京都出身。
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