2021年 10月 21日 (木)

電気、ガス料金の上昇に家計悲鳴 原因はLNG価格の急騰にあり、その原因を探ると......

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   液化天然ガス(LNG)の価格が世界的に高騰している。昨冬の寒波に始まり、中国の爆買いやロシアの供給絞り込み、欧州など世界の「脱炭素」による需要増など、多くの要因が重なっているためだ。

   日本の電気・ガス料金も上昇が続き、家計を圧迫する事態になっている。

  • 液化天然ガス(LNG)の価格が世界的に高騰している(写真はイメージ)
    液化天然ガス(LNG)の価格が世界的に高騰している(写真はイメージ)
  • 液化天然ガス(LNG)の価格が世界的に高騰している(写真はイメージ)

価格高騰の要因は地域によって違う

   液化天然ガス(LNG)は常温で扱える石油や石炭とは違い、零下162度に冷やして体積を600分の1にするので、液化設備の建設や運搬の費用がかさむ。このため、開発時に供給先が決まっていて、長期契約になることが多い。

   ところが、世界的に需要が増え、長期契約で足りない分を確保する必要から、スポット取引が拡大している。

   LNGのスポット価格は昨冬の世界的な寒波の影響などで、2021年1月に100万ブシェール(英国熱量単位)当たり30ドル超の史上最高値を付け、その後、一度は急落したものの、夏場も電力ひっ迫などで再び上昇。7、8月には15ドル以上、9月になって騰勢を強め、20ドル以上になっている。例年(5~8ドル程度)と比べ、異常な高値といえる。

   高騰はさまざまな要因が絡んでいて、地域によっても理由は違う。

   アジアでは、日中がスポットの確保に走った。日本は、東日本大震災で原発が停止したため発電用に急遽調達する必要に迫られたことから、スポット取引が増加。従来は10年、20年の長期契約が8割以上を占めていたのが、現在は3割程度をスポットが占めるという。

   さらに、昨冬の思いがけない寒波で電力がひっ迫、大手電力は火力発電を急遽増やし、LNG確保に努めた。「背に腹は代えられない」ということで、高値のスポットものも買い漁った。大手電力の利益がしぼんだだけでなく、大手からの「余剰電力」を扱うスポット市場の価格も高騰し、主に市場で調達していた新電力が、仕入れ値が販売価格(電気料金)を上回る「逆ザヤ」に陥り、大きな打撃を受けたのは記憶に新しい。

   影響は一般家庭も直撃し、電気料金、ガス料金の値上げが続いている。東京電力など大手電力は2021年入りほぼ毎月のように電気料金を上げ、東電の標準家庭の料金は11月も10月から133円値上げが発表されており、1月からの上昇幅は1000円を超える。東京ガスも11月に89円上げる。

   中国は、新型コロナウイルスの感染拡大をいち早く抑え込んで景気が回復したのに加え、水力発電の不調などもあってLNG需要が膨らんだ。

   欧州はロシア産LNGの依存度が高いが、今春にかけ低温のための需要増でLNGの在庫が減っていたところに、ウクライナ経由のパイプラインによるロシアからの供給が減ったという。ロシアは供給量を絞って価格維持を図っているとみられ、また、政治的に対立するウクライナに支払われるガスの「通過料」を減らそうとの思惑も指摘される。ロシアからドイツに直接LNGを送る海底パイプライン「ノルドストリーム2」が完成したが、実働にはなお時間がかかるという事情もある。

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