新たなスタートを切った岸田新政権。支持率が低迷し、海外メディアから「コロナ対策の失敗で退任」と烙印を押された菅義偉前首相に代わり、「新しい顔」として打ち出したはずの岸田文雄首相ですが、スタート早々まさかの「トリプルショック」に見舞われています。「ご祝儀相場」を期待したはずの日経平均株価は下げ続きで、報道各社が実施した世論調査の内閣支持率も低迷。株価低迷を「Kishidashock」(岸田ショック)と名付けられるなど、海外メディアの評価もあまり芳しくないようです。果たして「お好み焼き」でイメージアップを図った「キッシー」こと岸田首相の行く末は......。「ご祝儀相場」は期待できない数々のドタバタ劇を繰り広げた自民党総裁選を勝ち抜いた岸田文雄氏が、衆参両院本議会での総理大臣指名選挙で、第100代総理大臣に選出されました。Japan'sFumioKishidawasappointedprimeministerbyparliament(日本の岸田文雄氏が国会で総理大臣に選出された:ブルームバーグ通信社)FumioKishidaelectedasJapan's100thprimeminister(岸田文雄氏が日本の第100代総理大臣に選ばれた:インドネットメディア)日本の新首相誕生のニュースは、さすがに各国のメディアが速報扱いで報じましたが、残念なことに「お祝いモード」は短命で終了。真っ先に次のステージに動いたのは、経済メディアでした。Japanstockssuffer'Kishidashock'asnewleadersuggeststaxrise(日本の株式市場は、新首相が増税に言及して「岸田ショック」に見舞われている:フィナンシャル・タイムズ紙)Japanesestocksextendlosingstreakasnewpremierunderwhelms(日本の株式市場は、新しい首相が市場をしらけさせたために続落している:ヤフーファイナンス)losestreak:敗北の連続、続落underwhelm:しらけさせる、ひどくがっかりさせる岸田氏が自民党総裁選の際に、金融所得課税の見直しについて言及したことが「日経平均下落」の原因だと報じられていますが、実際は、中国の不動産大手「恒大集団」のデフォルト懸念といった国際的要因も指摘されていて、岸田氏の責任だけとはいえない様子。「Kishidashock」(岸田ショック)と名付けられるのは気の毒な気もしますが、この先も、首相就任に伴う「ご祝儀相場」が期待できないことは確実のようです。米通信社は「岸田氏は国民の一番人気ではなかった」と分析「Kishidashock」(岸田ショック)に見舞われたのは株式市場だけではありません。岸田内閣が発足したのを受け、報道各社が実施した世論調査では、内閣支持率の伸び悩みが話題になっています。通常、新内閣発足時は「ご祝儀相場」で支持率は高騰するのですが、今回は「そうは問屋が卸さない」とばかりに、各社ともに低支持率になっているのです。米ブルームバーグ通信は「2008年以来で最低の支持率でスタート」と報じました。Japan'sKishidaGetsLowestSupportforaNewPremierSince2008(日本の岸田首相は、新しい首相として2008年以来最低の支持率でスタート:ブルームバーグ通信)ブルームバーグは、社によって数字は異なるものの、内閣発足直後の支持率としては2008年の麻生内閣以来の低い数字だと紹介。1年前の菅政権発足時の支持率が6割後半から7割台だったことと比較しても「低調ぶり」が際立っていることに触れ、岸田氏は自民党総裁選に勝ったものの、「hewasn'tthemostpopularchoicewiththepublic」(国民の一番人気ではなかった)と伝えています。それでは、「今週のニュースな英語」は「underwhelm」(がっかりさせる、しらけさせる)を使った表現をご紹介しましょう。Yourperformanceisunderwhelming(君の業績にはがっかりだよ)Thefilmwasunderwhelming(映画にはがっかりした)Theresultmightbealittleunderwhelming(結果は、少しがっかりさせるかもしれない)「ご祝儀相場」のうちに衆院選を乗り切ろうとしたのか、投開票日を10月31日に早める「奇襲作戦」で選挙に立ち向かう岸田首相。選挙結果までも「Kishidashock」(岸田ショック)に襲われるのかどうか......。国民の審判に注目です。(井津川倫子)
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