2021年 10月 28日 (木)

45歳で定年とか早期退職とか、人生の「節目」を会社に決められてしまっていいのか?(川上敬太郎)

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   洗濯物を取り込みながら中学生の次女と一緒にニュースを観ていたら、「うぉ!」と思わず2人で驚きの声を上げてしまいました。

「人気アイドルグループ 嵐の桜井翔さんと相葉雅紀さんが、そろって結婚を発表しました」

   寝耳に水のビッグニュース! と、2人であんぐり口を開けたままテレビにクギ付けになっていると、アナウンサーが桜井翔さんのコメントを紹介しました。

「40歳という『節目』を前に、家庭を持つという人生の大きな選択をいたしました」

   年齢が、人生の選択における一つのきっかけだったようです。

  • 人生設計が狂う? 45歳で定年って……(写真はイメージ)
    人生設計が狂う? 45歳で定年って……(写真はイメージ)
  • 人生設計が狂う? 45歳で定年って……(写真はイメージ)

2021年の早期退職の募集人数は1万人超!

   トップアイドルとして活躍してきた桜井さんももうすぐ40歳。45歳定年制なんて話題がありましたが、よもやよもや、もしそれが実現しようものなら、現役トップアイドルがあと5年で定年年齢に達するという事態が起きてしまうではないですか。

   定年に限らず、会社は何かにつけて年齢で条件を定めようとするところがあります。最近また、年齢条件を定めて早期退職を募集する会社が増えているようです。

   東京商工リサーチが2021年6月に発表したデータによると、上場会社が今年、早期退職を募った人数はすでに1万人を超えているとか。前年同日比で4000人以上も多いペースだというから驚きます。

   早期退職はたいてい、○○歳以上と年齢の下限を定めて募集されます。45歳以上という条件も多く、45歳定年制どうこう以前に、すでに45歳を年齢の「節目」と認識している社員が、世の中にたくさんいるはずです。

   日本で主流の年功賃金では、一定以上の年齢層になると生産性より給与のほうが高くなる傾向にあります。人口構成上、高齢層の比率は今後もどんどん増えていくことから、会社としても一定の年齢で線を引かざるを得ないという事情はわかります。

   ですが......。年齢で一律に条件を区切るルールって、あまりに乱暴すぎやしませんか?

   年齢が低くても、生産性より給与の方が高い人だっているでしょうし、高給取りの年配社員でも、それ以上に生産性高く働いている人もいるはずです。

   この前、家族でテレビを見ていたら、MCが松本人志さんと中居正広さんに、ナインティナインのおふたり。そこに爆笑問題の太田光さんが登場して大暴れする姿に圧倒されました。存在感といい、トークのキレといい、溢れ出すパワーといい、この人たち凄いなぁ、と思って観ていましたが、よく考えてみると、みなさんいいご年齢です。

   松本人志さん「58歳」、中居正広さん「49歳」、ナインティナイン岡村さん「51歳」、同じく矢部さん「49歳」、大暴れした爆笑問題の太田さんは「56歳」。

   どなたも早期退職の募集対象年齢に該当しそうですが、押しも押されもせぬトップランナーです。実力で判断されるのならまだしも、年齢だけで一律に区切るのって、やっぱりヘンです。

結婚と同じように転職や退職もまた人生の「節目」

   もう一つ疑問なのですが、年齢で線を引くことを喜ぶ社員っているのでしょうか?

   仮に45歳以上を早期退職募集の年齢条件にした場合、44歳の人はセーフだからラッキー...... ってなりますか。むしろ、自分も翌年には対象年齢に到達するなぁ、会社や上司、同僚たちからの見られ方が変わるのかなぁ、と不安になる人のほうが多そうな気がします。

   また、まだ20代の社員であっても、将来を考えた時にふと、

「この会社にいる限り、自分も45歳になれば早期退職募集の対象者に入るのかな」

と不安になる人って、必ずいると思うんですけど。

   もちろん、ナニゴトにも「節目」はありますし、誰もがいつかは仕事を引退する時が来ます。でも、その年齢って会社や他人に決められるものではなく、自分で決めるものではないでしょうか?!

結婚は人生の節目 じゃあ、定年や早期退職は?
結婚は人生の節目 じゃあ、定年や早期退職は?

   そんなことが脳裏によぎりながら、いまだ口を開けたまま嵐のおふたりの結婚報道を眺める次女に尋ねました。

父:「何歳までに結婚したいの?」
次女:「別に、そんなの決めてないけど」
父:「ふーん。なるべく早く結婚したいとか思わないんだ?」
次女:「だって、あわてたところで好きな人が現れるとは限らないし」
父:「確かに。先に年齢を決めておく必要なんてないか」

   結婚が人生の「節目」であるように、転職や退職もまた人生の「節目」の一つに違いありません。そんな「節目」の年齢を自分では決められず、定年とか早期退職とか会社のルールで決められてしまうのって、やっぱりヘンじゃないですか?(川上敬太郎)

川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
ワークスタイル研究家
男女の双子を含む、2男2女4児の父で兼業主夫。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業の事業責任者を経て転職。業界専門誌「月刊人材ビジネス」営業推進部部長兼編集委員、広報・マーケティング・経営企画・人事部門等の役員・管理職、調査機関「しゅふJOB総合研究所」所長、厚生労働省委託事業検討会委員等を務める。
雇用労働分野に20年以上携わり、仕事と家庭の両立を希望する「働く主婦・主夫層」の声延べ3万5000人以上を調査・分析したレポートは200本を超える。
NHK「あさイチ」、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」などメディアへの出演、寄稿、コメント多数。
現在は、「人材サービスの公益的発展を考える会」主宰、「ヒトラボ」編集長、しゅふJOB総研 研究顧問、すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役、JCAST会社ウォッチ解説者の他、執筆、講演、広報ブランディングアドバイザリー等の活動に従事。日本労務学会員。
1973年生まれ。三重県出身。
今すぐ無料会員に登録して、コメントを書き込もう!
姉妹サイト

注目情報

PR
コラムざんまい
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中