「バズりたい」あなたへ...... ネット時代に必要な文章術とは?
「バズる」文章の条件
さて、いよいよ中身の文章の話だ。「自分/相手」×「主題」×「様式」のバランスがいい状態のときに初めて「バズる」という。ただし、タイトル詐欺にならないように注意すること。「ここでしか読めない」というベネフィットを提供することが大事だ。
・拾い読みしても全体がわかる文章を書く
・読者に「これは自分のことだ」と思わせる
・ベストな文章の長さは25文字
など、具体的な文章術について、いろいろ書いているが、よくある文章術の本とはかなり違うテイストだ。
「常識外れ」「掟破り」だと思ったのは、「本当に伝えたいなら、5W1Hは無視しよう。5W1Hにこだわると、不明点やモレはなくなるがうっとうしい文章になる。伝えたいなら感情をこめる」と書いてあることや、「喜怒哀楽」を表現しよう、「伝える」ためにロジカルは不要、と訴えていることだ。
Twitter なら140字以内というSNSの短い文章の制約の中で、いかに自分を盛り込みながら有益な情報を発信し、相手の感情に刺さるか。既存の文章術では対応できないことを痛感した。
少し長い文章でも考え方は同じだ。「なるほど」と思ったのは、「最初の100文字、つまり3行程度でフックがかからないと読んでもらえない」と書いてあることだ。フックとは「なんだこれは!?」と思わせるような印象的な話題のこと。つかみだけではダメだ。最後にオチとなるメッセージを用意しておくことも必要だという。
巻末には特別付録として、Twitterのフォロワーを増やすための20のコンテンツが付いている。このコンテンツを1日4回ツイートすればフォロワーが増えるという。中身は実際に本書を読んで確認していただきたい。なるほど、こうした手があったのか、と感心した。
尾藤さんが最初に著書を出したのは2010年。コンサルティング会社依頼の自己啓発書で、しかも共著だった。あまり売れず、次の本を出すまでに2年かかった。それ以来16冊の本を出しているが、ひとえにネットの力だと思っているという。
「文章力+ネット発信力」は一生モノのスキルである、と「おわりに」に書いている。ネット時代に対応した新しい文章術の本である。
「100万PV連発のコラムニスト直伝 『バズる文章』のつくり方」
尾藤克之著
WAVE出版
1540円(税込)