2021年 12月 8日 (水)

株価3万円台回復、エコノミストの予想は真っ二つ! 意外な大波乱要因は「中国」より「米国」?(2)

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   菅義偉前首相の「退陣」で一気に3万円台にまで急上昇した日経平均株価は、岸田文雄新政権の誕生でさらなる「ご祝儀相場」が続くかと思いきや、中国リスクや世界的なインフレ懸念も加わり、大失速だ。

   いったい、3万円台に回復するのかどうか。エコノミストも、「年内に3万円台回復する」という楽観論と、「3万円台回復は来年以降か」という悲観論とで真っ二つに分かれている。シンクタンクのリポートを読み解くと――。

  • GoToトラベルの再開は消費拡大に好材料だが……(写真はイメージ)
    GoToトラベルの再開は消費拡大に好材料だが……(写真はイメージ)
  • GoToトラベルの再開は消費拡大に好材料だが……(写真はイメージ)

GoTo再開と自動車の復調で3万1500円台が続く

   一方、「日経平均株価は先行き12か月3万1500円程度で推移するだろう」と強気の見方を示すのは、第一生命経済研究所経済調査部の主任エコノミスト、藤代宏一氏だ。「少し明るくなってきた日本株 ~日経平均は3万円回復へ~」(10月19日付)で、まず指摘したのが世界的な新型コロナウイルス感染者の減少と、経済活動の再開だった。

「世界的にワクチン接種が進展するなか、世界のコロナ新規死亡者数は明確に下向きのカーブを描き、経済活動再開も加速しつつある。今春から夏にかけて猛威を奮ったデルタ株の出現以降、感染力の強い新たな変異株は確認されておらず、投資家の警戒感は和らぎつつある。投資家は既存のワクチンと新たな治療薬が所期の効果を発揮し、感染収束シナリオに自信を深めるだろう。
今後、サービス業の正常化が一段と進展すると共に、コロナ影響で稼働率低下を余儀なくされた工場の再稼働も期待される。半導体不足はなお残存するものの、大きく見ればサプライチェーン問題は解決に向かい、そうした下で物価上昇は落ち着き、スタグフレーションは回避されるだろう。また米国では、これまで手厚い失業給付を受け取っていた人の復職が進むことで、(労働力不足が解消して)供給が安定化する」

   また、国内に目を向けると、緊急事態宣言の全面解除によってサービス業が回復することと、自動車生産が底入れすることが好材料だという。

自動車の生産の底入りも期待の材料だが......(写真はイメージ)
自動車の生産の底入りも期待の材料だが......(写真はイメージ)

   藤代氏はこう続ける。

「サービス業は、11月以降にさらなる制限緩和が期待されるなかで、復調が予想される。子育て世帯への現金給付案に加え、ワクチン接種証明を活用したGoToキャンペーンの再開や、マイナンバーカード保持者に『3万円』のポイントを付与する案も伝わっており、これら政策効果が個人消費を押し上げよう。需要者としてのサービス業が復調すれば、設備投資の再開等を通じて製造業の回復持続に資することにもなる。
日本株上昇の原動力となろう。そして、ここへ来て明るさが増しているのは自動車生産の底打ち。自動車最大手はコロナ感染状況の悪化により滞っていた東南アジアからの部品調達が正常化しつつあり、9月と10月の大幅減産分を取り戻す計画を示した。11月に減産幅は縮小し、12月以降は挽回生産を検討するという」

   衆院選後に行われるであろう、与党自民党・公明党が公約した「バラマキ政策」が需要を促すと同時に、GoToキャンペーンの再開が大いに景気を回復するというのだ。そして、藤代氏はこう結ぶ。

「当然のことながら自動車生産の回復に伴い、鉄鋼、化学、非鉄金属といった関連業種の株価上昇も期待できる。現在、日経平均の12か月先予想PER(株価収益率)は14倍強と、パンデミック発生前の水準へと回帰している。今後EPS成長率(編集部注:EPS=1株あたりの利益=が毎年どのくらい成長してきたかを示し、企業の成長性を分析する指標)がひと桁パーセント後半の軌道を維持するなか、株価はEPS成長率見合いで水準を切り上げていくと予想される」
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