2021年 12月 4日 (土)

グローバルと他の産業の視点で未来を拓く! 日本農業の潜在力を最大に発揮させる戦略はこれだ!【食品のムダをなくす一冊】

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   10月は「食品ロス月間」。冷蔵庫の活用術や、食材やお料理の節約術、最新の農業事情などをテーマにした本を随時、紹介していこう。

   グローバルと他の産業の視点なしには日本農業の未来戦略は立てられない、と世界的なコンサルティング企業マッキンゼーが示した農業改革の書が、本書「マッキンゼーが読み解く 食と農の未来」である。

   農業が生産者だけの問題ではなく、その農作物を食べる、全世界のすべての人の問題になっているという視点から、日本農業の潜在力を最大に発揮させる戦略を提言している。

「マッキンゼーが読み解く 食と農の未来」(アンドレ・アンドニアン、川西剛史、山田唯人著)日本経済新聞出版
  • グローバルと他産業の視点なしには日本農業の未来戦略は立てられない!(写真はイメージ)
    グローバルと他産業の視点なしには日本農業の未来戦略は立てられない!(写真はイメージ)
  • グローバルと他産業の視点なしには日本農業の未来戦略は立てられない!(写真はイメージ)

最初の生産量の32%が消えている

   著者の3人はいずれもマッキンゼーの関係者だ。アンドレ・アンドニアン氏はマッキンゼー日本支社長でシニアパートナー。川西剛史氏はアソシエイトパートナーで農学博士。山田唯人氏はパートナーでサステナビリティ研究グループのリーダー。

   マッキンゼーらしいと思ったのは、「グローバルの視点」として、近年議論が活発になっているサステナビリティについて、最初に触れていることだ。農業分野において気温上昇基準(1.5度未満の上昇)を満たすには、以下の4つのアプローチがあるという。

(1) 生産者側の温室効果ガス排出抑制
(2) 需要側の変化(フードロス低減など)
(3) 農地の用途変更
(4) 新技術の開発

   生産側のみならず、(2)に挙げられている、動物性タンパク質の少ない食生活への切り替えなど需要側の努力も必要になる。生産地(畑)から流通に回るまでのフードロスおよび飲食店におけるフードロス(食べられずに捨てられてしまう食料)の半減(50%)、加えて、牛肉から鶏・豚および大豆タンパク質等への切り替えを半分(50%)とかなり大がかりなものとなる。

   日本農業の変革についての提言は後述することにして、本書がこのフードロスに言及している部分をピックアップして、まず紹介したい。

   現在、世界中で問題になっているフードロスには、一つの特徴があるという。先進国では消費段階でのロスが最も大きいのに対して、新興国では生産段階やその保管段階など上流工程で多くロスが発生していることだ。

   食物バリューチェーンの工程別に見た世界のフードロスの現状を図表で示している。それによると、生産段階で4.8ギガトンあった食品が、取り扱い・保管、加工・包装、流通、最終消費者と各段階を進むにつれてロスが発生。最終的に家庭で消費された段階では食品は3.2ギガトンに減ってしまう。じつに1.6ギガトン、最初の生産量の32%が消えてしまっているのだ。

   フードロスに新興国と先進国に差があり、新興国では生産段階や保管段階など上流で大きなロスが出ている。100の生産が保管段階に入るのは、そのうちの80%ほどで、生産三回で腐ったり病気になったりするロスが多く発生しているからだ。先進国での最大のフードロスは逆に最終の消費段階で発生し、14%が廃棄されているという。

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