2024年 4月 20日 (土)

テレワーク導入で残業時間半減、保険契約高で過去最高を更新した大同生命保険の場合【テレワークに役立つ一冊】

   11月は総務省の「テレワーク月間」。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、一気にテレワークが浸透したが、新規感染者の減少とともに再び職場に通勤する人が増えてきた。しかし、テレワークの大きな流れは止まらないと見られる。今月は、テレワークや電話、コミュニケーションに関連する本を紹介しよう。

   本書「テレワーク導入・運用の教科書」は、一般社団法人日本テレワーク協会が編集。「教科書」と銘打っているだけに、テレワークの基本書として信頼が置けるものだ。

   テレワーク導入の手順と推進体制、社内制度・ルール、ICT(情報通信技術)環境の構築、テレワーク時の執務環境、具体的な事例と、導入に必要な要素をきめ細かく網羅している。

「テレワーク導入・運用の教科書」(一般社団法人日本テレワーク協会編、宇治則孝・今和泉千明・椎葉怜子・鈴木達郎・武田かおり・中島康之著)日本法令
  • テレワークで仕事がはかどる!(写真はイメージ)
    テレワークで仕事がはかどる!(写真はイメージ)
  • テレワークで仕事がはかどる!(写真はイメージ)

移動時間の減少が営業職のメリット

   テレワーク導入の手順やICT(情報通信技術)環境の構築などについては類書があるので、ここでは導入事例をいくつか紹介したい。

   広告・出版業のリクルートマーケティングパートナーズは、2015年10月に全従業員約1200人を対象に、一斉にテレワーク(同社ではリモートワークと呼称)を導入した。早い時期に大規模に導入したため、注目を集めた。導入の理由は3つあったという。

   (1) 従業員の半数以上を占める営業職の営業活動を効率化するために移動時間の短縮が大きな課題となっていた。
(2) 従業員にワーキングマザーが増加したことで在宅勤務制度などの利用が大幅に広がっていた。
(3) 中途入社のエンジニア職の中には在宅勤務などの新しい働き方への知見や経験をもっているエンジニアが多く、優秀なエンジニアを継続採用するためには、ニーズを満たす必要があった。

   利用条件は、利用日数や終日・部分利用など、本人が自由に設定できるが、週1日以上は出社を必要としている。場所は、自分以外の人間が業務用端末を操作できない、のぞき見されない場所であれば、自宅、カフェ、図書館などさまざまな場所でリモートワークが可能だ。

   導入した効果について、先行導入テストに参加した人のアンケート結果を紹介している。生産性の向上の効果は65%、労働時間が減少した効果は45%。移動時間の減少、計画的な行動が主な理由だ。96%が継続を希望した。

   社員の声として、「時間の考え方が大きく変わった。『時間は有限である』ということに本当の意味で気づき、コミュニケーションの取り方ひとつも意識するようになった」、「生まれた時間で、今まで以上に効果を返せるように顧客のことを考えるようになった」などを紹介している。同社は2015年、日本テレワーク協会が主催するテレワーク推進賞で会長賞を受賞した。

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