2024年 4月 18日 (木)

塩野義製薬株が上場来高値、ベトナム政府とコロナ感染症対策で基本合意を歓迎 「捕らぬ狸」もオミクロン株に効くとなると......

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   塩野義製薬の株価が2021年11月25日に上場来高値を更新した。19日から4営業日連続の更新で、全体として下げ相場のなか、逆行高を演じた。

   4日目の25日の決め手となった材料は同日朝に発表した、新型コロナウイルスを含む感染症対策についてのベトナム政府との基本合意だ。塩野義は新型コロナウイルス向けのワクチンや経口治療薬を開発中で、ベトナムでこれらの臨床試験を進める計画。ワクチンの製造技術移管についても具体的な協議に入るとしている。ワクチン、経口治療薬ともに実用化へ前進するとの期待が投資家のあいだに高まっている。

  • ワクチンや経口治療薬はコロナ禍の変異株「オミクロン株」に対抗できるのか!?(写真はイメージ)
    ワクチンや経口治療薬はコロナ禍の変異株「オミクロン株」に対抗できるのか!?(写真はイメージ)
  • ワクチンや経口治療薬はコロナ禍の変異株「オミクロン株」に対抗できるのか!?(写真はイメージ)

国産ワクチンの「先頭バッター」

   新型コロナウイルス対策で日本が後れをとっている印象が否めないのは、何と言っても国産ワクチンの開発が大幅に遅れていることだ。しかし、ここへきてようやく光明が見え始めており、その先頭バッターと目されているのが塩野義だ。そのことが足元の株価上昇を支えている。

   塩野義は近年、抗HIV薬の「テビケイ」「トリーメク」、抗インフル薬の「ゾフルーザ」といった対感染症に有力な薬を発売してきている。新型コロナウイルス向けのワクチンや経口治療薬についても、研究員を大量投入して開発に取り組んできた。

   その結果、ワクチンについては治験が最終段階に入っており、2022年3月までの実用化を目指すところまできている。国産ワクチンはこのほか、明治ホールディングス傘下のKMバイオロジクス(熊本市)などが続いている。

   経口治療薬についてはワクチンほどには遅れておらず、欧米の製薬メーカーに伍すると言えなくもない開発スピードとなっている。塩野義の新薬候補「S-217622」は9月に最終段階の治験に入り、年内に厚生労働省に製造販売の承認申請を出す方針だ。2022年3月までに100万人分を生産する計画を持っている。

   海外勢では米メルクの「モルヌピラビル」が11月4日に英国で承認され、米国では緊急使用許可を申請、日本政府とは160万人分の供給契約を結んだ。米ファイザーの新薬候補は治験の最終段階にあり、米国で緊急使用許可を申請している。こうしたファイザーの動向は塩野義の株価にも影響している。

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