2024年 4月 26日 (金)

クーポン券支給を10万円全額現金に 岸田首相の豹変に呆れるエコノミスト!

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

いろんな人の声を中途半端に聞くダメなリーダー像

   こうした、どんどんブレ始めて政策が骨抜きになる岸田政権の動きを、エコノミストたちは「単なるバラマキ」になってしまったと厳しく批判する。

   ヤフーニュースのヤフコメ欄では、こんな意見が相次いでいる。日本総合研究所調査部マクロ経済研究センター所長の石川智久氏は、こう指摘した。

「だんだん政策の趣旨がわからなくなってきた。そもそもとしては子育て世帯をサポートし、給付金が貯蓄に回って景気が良くならないという問題を解決したいのであれば、難しいことは考えず、学費や給食費の無償化・一部サポートや、奨学金の割増などの方が納税者の理解を得られたかもしれません。なにはともあれ、もう一度方向性を整理したほうが良いかと思います」

   エコノミストで経済評論家の門倉貴史氏も、こう疑問を投げかけた。

「本来現金給付を必要とするワーキングプア世帯には何の恩恵もなく、18歳以下には所得制限なしで無条件に10万円を一括支給するというのでは『不公平感』が強すぎる。格差を助長し、『成長と分配の好循環』を目指すという政府の理念にも逆行するのではないか。18歳以下に10万円相当を支給する政策は、困窮対策や消費喚起策からまったくかけ離れた、単なるバラマキ政策(巨額の予算を必要とするが政策の費用対効果はほとんどない政策)になってしまった」
「身内」なのに岸田首相を厳しく追及した高市早苗自民党政調会長(2021年9月8日撮影)
「身内」なのに岸田首相を厳しく追及した高市早苗自民党政調会長(2021年9月8日撮影)

   法政大学大学院教授(現代政治分析)の白鳥浩氏は、所得制限をなくす動きを批判した。

「山際経済財政担当相が、『10万円給付』について年収960万円としていた所得制限撤廃を容認することを表明した。岸田首相の現金一括給付の容認に続き、政府の政策見直しが続き、『10万円給付』がブレはじめている。そもそもこの『10万円給付』は、連立与党間で総選挙の前に十分にすり合わせてマニュフェストに盛り込まれていたものではない。政策の議題にのぼった際に、高市早苗政調会長は当初、難色を示したという経緯もある。
給付される利用者の声や、その事務に携わり実際に現場で給付を行う自治体の声が不在のまま、制度設計がなされ、議論が展開されてきたという印象をもった国民は多い。より利用者の利便性にも配慮した目線で、より地方自治体の効率的な給付を行える目線で、もう一度制度設計をする必要がある」

   超党派で若者の意見を政治に反映させる日本若者協議会代表理事の室橋祐貴氏は、岸田首相のリーダーとしての資質を問題視する。

「いろんな人の声を中途半端に聞いたがゆえに、中途半端な設計になり、やはり迷走しています。スピード(効率性)と、一定の制約を両立させるためには、国民民主党の玉木雄一郎代表が主張している『課税つき一律給付』(所得の高い人は課税時に逆還付という形で戻してもらう)が最も理に適っているのは明確。みんなの意見を聞いて、それを合わせる(結果どっちつかずの中途半端なものになる)というのは典型的なダメなリーダー像であり、岸田総理はそうなってしまっているのではないでしょうか」

(福田和郎)

姉妹サイト

注目情報

PR
コラムざんまい
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中