2024年 4月 20日 (土)

「大東亜以下メール」で明らかになった学歴フィルター 大丈夫! 入社後は実力勝負、「成果」こそ優先される(城繫幸)

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   マイナビが登録中の学生に送信したメールの一部に「大東亜以下」と書かれていたことが発覚し、波紋を呼んでいる。

   すでに指摘されているように、「大東亜」とはよくある大学のグループ分け呼称の一つで、大東文化大学、東海大学、亜細亜大学などの含まれるグループだ。それ以下と以上で、なんらかの線引きが行われていたことは間違いないだろう。

   とはいえ、学歴フィルターなんて何十年も前からふつうに存在するもので、今さら驚くような話でもない。

   ただ、SNSなどを見ているといくつか誤解もあるようなので、簡単に論点をまとめておこう。

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学歴フィルターはあくまでも採用の効率化が目的

   採用人数に対して10倍以上の応募のある人気企業であれば、必ずなにがしかの学歴フィルターは使っているはずだ。

   そうしないと採用活動が非効率となり、本当に優秀な人材を必要な数だけ確保することが困難となるためだ。

   たとえば、早慶上智青学以上は囲い込みも兼ねて優先的に選考日程を組み、それ以外は後日に回す。東大生はエントリーが後であっても面接に追加する......etc

   というようなことは、大手企業ならどこでもやっている話だろう。

   ただし、これは学生にとってもメリットのある話だ。最初からほとんど内定の芽がないのに、会社説明会から選考過程までフルで付き合わされても迷惑なだけだろう。

   また、学歴フィルターのよくある誤解の一つに「入社後もその影響が残る」というものがある。

   学歴フィルターは大手企業ならどこでも存在するものではあるが、筆者の知る限り、入社後もそれが影響力を持つという会社は存在しない。

   入社後は完全に実力勝負が基本であり、学歴を成果より優先するような余裕のある会社は(少なくとも21世紀の現在は)存在しないはずだ。

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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