2024年 4月 20日 (土)

人生を変えるために... 目標の正しい立て方とは? ライフハックの達人が伝授!

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   人生や仕事を変えるのは、こんなに「小さな習慣」だった――。毎日の行動を、数分で実践できる「近道」で入れ替えるうち、やがて大きな変化を生み出す。本書「ライフハック大全」は、タスク管理から人生航路まで、ネット時代の新しい仕事術を解説した本だ。

「ライフハック大全 プリンシプルズ」(堀正岳著)KADOKAWA

   著者の堀正岳さんは、人生(ライフ)の問題をハック(あざやかに解決)する、「ライフハック」を日本に紹介した第一人者だ。本業は北極における気候変動の研究者で、ライフハック、IT、文具などをテーマにするブロガーでもある。

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「ライフハックとは、人生に長い目でみて変化をもたらすような、小さな行動」

   著者が2017年に刊行した「ライフハック大全 人生と仕事を変える小さな習慣250」は、5万部のベストセラーとなった。今回取り上げる本書は、新書向けにこれを再構成し、全面的に改稿したものだ。

   改稿にあたり、ライフハックの背景となる考え方を、その原理・原則に踏み込んで解説しているのが特徴だ。

   ライフハックは単なる小手先のテクニックではない。今回、ライフハック113個を厳選し、とくに重要なものは「コア・ハック」として紹介しているので、つまみ食いするだけでも参考になるだろう。

   アメリカ発の「ライフハック」を、堀さんは自分なりに咀嚼して、「ライフハックとは、人生に長い目でみて変化をもたらすような、小さな行動」など、いくつかの原則を示している。ちなみに、スキルアップの手法でも、自己啓発でもない、とのこと。

   そして、人生を変える行動を起こすために、どのように時間を作るのか、どのようにタスクを整理するのか、どのように情報を選択してアウトプットするのか......9つの章で掘り下げている。

   序章では、自分の目標を立てる方法を解説している。

   その時、活用したいのが、自分の心に向かって質問を繰り返し、網羅的に心配事や希望を書き出す「ブレインダンプ」という手法。人生の見取り図を作成する「マインドマップ」という手法など。これらを参考にして目標を立てる。また、どのような目標に向かって進むのかを書き出した「ミッションステートメント」をつくる。これをいつでも持ち歩くのがポイントだ。

   このあと、具体的に9章にわけて「時間を生み出すライフハック」「行動に結ぶつくタスク管理」「集中力と先送り防止」「ツールと人生の仕組み化」「読書と情報整理」「学びとアウトプット」「仕事と生活の環境構築」「心を守るためのメンタルハック」「人生をハックする習慣術」と解説している。評者が参考になりそうだ、と思ったいくつかのハックを紹介しよう。

極端に時間の使い方を変えてみては?

   まず気になったのは、時間の使い方。こんな原則を挙げている。

原則:変化を感じたいなら、より極端な方向に時間の使い方を変えてみる。そのとき、まずは質よりも量に集中して、蓄積が質を生み出すようにする

   たとえば、テレビを見る時間をすべて別の目標の行動に切り替えるとか、SNSを閲覧する時間を、SNSに優良なコンテンツを生み出す活動に切り替えるとかだ。

   コア・ハックとしては、「時間の使い方を可視化する」ことを勧めている。就寝時間、食事、出勤、テレビやネットを見ている時間などを1枚の紙に列挙する。そして、それぞれを、能動的に選択しているものなのか、日常の必要経費のように使っている時間なのかを、2列でまとめてみる。2週間分を見ると、どう時間を使っているか一目瞭然のはずだ。

   このように、ときには自分の見積もりとの差を意識して、時間の使い方を能動的に選択するようにしたいものだ。具体的なハックとして、「メールにかける時間は1分を基本に」「予定は1時間単位ではなく、30分単位で」「24時間テンプレートで時間の整理をする」「書類やスライドは『不完全』でよしとする」などが参考になりそうだ。

   もうひとつおもしろかったのが、タスク管理。紙やポストイットを使ったアナログな方法やデジタルツールを使った方法を紹介している。これらは実践している人も多いだろう。

   でも、その中で、「あれっ!」と思ったのは、「やらないことリストでタスクを減らす」というものだ。

   堀さんは、「発信者が不明の電話には応じない。午前はメールに応じない。どんな席でも飲酒はしない。時間のムダと決めたウェブサイトは開かない」ことを挙げている。

   このほかにも紹介しきれないほど多くのハックが紹介されているが、最後にもうひとつだけ。「集中力と先送り防止」のハックにも、参考になると思ったものが多かった。原則は「やる気が出ることに頼らない。やる気が結果的に生まれる環境や条件を追求する」ということだ。

   いつも原稿を書こうとして、なかなか集中できない評者だが、「48分集中して、必ず12分の休息をとる」という「時間分割法」を意識したら、うまくいった。また、「自分の『脱線パターン』を意識しておく」ことも参考になった。

   というわけで、本書を繰り返し読むことも評者の日課になりそうだ。それほど、人生を変えるハックに満ちあふれている。本書に出会ったことに感謝したいと思う。

(渡辺淳悦)

「ライフハック大全 プリンシプルズ」
堀正岳著
KADOKAWA
1386円(税込)

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