あなたが管理職で、部下のモチベーションを高めたいなら承認欲求を満たされるように振る舞うことが重要です。人間性心理学の生みの親といわれているアブラハム・マズロー氏の有名な理論に、「人間の欲求の階層(マズローの欲求のピラミッド)」理論があります。人間の基本的欲求は「5段階のピラミッド」のようになっていて、底辺の欲求が満たされると、1段階上の欲求が出てくると説いています。承認欲求が満たされればモチベーションは高まるその一つに「承認の欲求(尊厳欲求)」があります。人は誰かに認められたいと思う気持ちのことです。その気持ちを満たしてあげることによって1段階上の欲求である、「自己実現の欲求(成長欲求)」の段階に入るといわれています。結果としてモチベーションを高めることになります。ですから、承認欲求が満たされるような立ち振る舞いをしてください。では、どのようにしたらいいのか――。たとえば、目を合わせて挨拶をするとか、仕事に対する姿勢を褒めるとか......。人前で褒めることは重要です。さらに重要なのが伝え方です。できれば、You・I・Weの視点から感じたことを組み合わせて伝えていただきたいと思います。Youとは「あなたは仕事が丁寧ですね」と部下自身について伝える。Iとは「あなたの仕事が丁寧なので、私の負担が減っています」と、相手だけでなく自分がどう感じているかを伝える。そしてWeとは「あなたの丁寧な仕事ぶりは社内みんなの手本です」と伝える。「You→I→We」の順番で承認欲求の満たされる高さは大きくなるはずなので、上手に使い分けてください。できるだけ早く、タイミングよく伝えたい特に活用いただきたいのが、「I」の視点から伝える=Iメッセージの活用です。たとえば、仕事で頑張っている社員をみたときにYOUメッセージなら、「すごいね!いつも頑張っているね」となります。本人は褒められているので悪い気はしませんが、まだまだと思っていた場合は、うまく受け止めにくい傾向があります。これをIメッセージで伝えると「頑張っている姿を見て、私も頑張らなきゃと刺激を受けたよ」伝えた人の実際に感じた事実を伝えているので、受け取った人がYOUメッセージのように否定しづらく、肯定的に受け取れるはずです。さらにいえば、伝えるならできるだけ早く、タイミングよく伝えたいもの。数週間経過してから伝えても興ざめしてしまう可能性があります。リモートワークなどで伝えるタイミングが難しい場合がありますが、それでも何とか早めに時間をとって伝えていきましょう。(西野一輝)
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