2022年 5月 22日 (日)

いじめ、不祥事...公務員は「危機」に際してどうメディア対応すべきか?

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   自然災害や感染症のまん延、学校のいじめなど、公務員や教職員たちもクライシス(危機)への対応を求められる、そんな時代になってきた。

   企業は日頃から、こうしたメディア対応には慣れているが、官公庁の職員は不慣れだ。本書「公務員の危機管理広報・メディア対応」(学陽書房)は、広報だけではなくリスクマネジメントの観点から、危機に際して新聞、テレビ、SNSなどあらゆるメディアへの対応を提案した本である。

「公務員の危機管理広報・メディア対応」(宇於崎裕美著)学陽書房

   著者の宇於崎さんは広報・危機管理広報コンサルタント。官庁、企業、大学において広報や講演、メディアトレーニングを行っている。著書に「不祥事が起こってしまった!」「クライシス・コミュニケーションの考え方、その理論と実践」などがある。

「クライシス・コミュニケーションはフィギュアスケートに似ている」

   クライシス・コミュニケーションとは、組織が危機的な状況に直面した際、その被害を抑えるためにおこなうコミュニケーション活動のことだ。それがどうして、フィギュアスケートにたとえられるのか。

   フィギュアスケートの得点は、「技術点+演技構成点-減点」で構成される。それにならってクライシス・コミュニケーションの「技術点」は、現状・原因・対応策・再発防止策など情報の公表・説明にあたる。また、「演技構成点」は発表のタイミング・謝罪の有無や仕方・説明者や司会の服装・態度など。そして、「減点対象」は遅刻・マイクの故障・不手際などが該当する、というわけだ。

  • メディア対応にそれほど慣れていない公務員に向けた一冊
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同じ事故でもなぜ報道のされ方は違ったのか

   さらに理解を深めるために本書では、同じ事故でも報道のされ方が違った具体例を挙げている。2010年夏に起きた2つのヘリコプター墜落事故の報道を比較したところ、原因不明、死亡者5人と共通点はあるが、報道のされ方は全く違ったという。

   1つ目の「7月の事故」についての報道は墜落当日と翌日の2日間で終息し、事実関係のみを伝え、当事者を責めていなかった。一方、2つ目の「8月の事故」の報道は長期化した。発表内容が事実と異なることが判明、「隠ぺい」「改ざん」とメディアは非難を続けたのだ。

   著者の宇於崎さんは、長年、事件・事故の報道を観察し、マスコミやネットで騒がれる事柄は決まっていると断定する。以下の要素だ。

「情報公開の遅れ、隠ぺい、放置、偽装、改ざん、態度を変える、内向き体質、組織の論理、過剰な組織防衛」

   そして、メディア対応は「最初の3時間、最初の3日間が勝負」と書いている。不祥事発生時の発表で大事なのは、「スピード、わかりやすさ、正確さ」だという。求めている情報は4つだ。「何が起きたか(現状)、なぜ起きたか(原因)、今、どうするのか(対応策、補償)、将来どうすればよいのか(再発防止策)」である。

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