新型コロナウイルスに感染したと診断されて療養していた英国のエリザベス女王が、無事公務に復帰して元気な姿を披露しました。復帰後、初の面会相手に選んだのは、「イケメン」で知られるカナダのジャスティン・トルドー首相。190センチのトルドー氏を、満面の笑顔で見上げていたエリザベス女王でしたが、報道によると、女王が今、「一番会いたい!」と熱望しているのは、遠く米国に住む「あの人」だそうです。イケメン首相を、最高の笑顔と「ウクライナ」色でおもてなし?!2022年3月、英国ウィンザー城でトルドー氏を迎えたエリザベス女王。新型コロナウイルス感染が公表されてからもオンラインでは公務を続けてきましたが、初めての面会の場では、女王流の「おもてなし」を見せつけました。QueenElizabethmeetsJustinTrudeauinfirstappearancesincecatchingCOVID-19,infrontofblueandyellowflowers(エリザベス女王が、青色と黄色の花の前で、新型コロナウイルス感染後初めての公務としてジャスティン・トルドーに面会した:米ABCニュース)世界中に配信された映像で印象的なのは、何よりもエリザベス女王のはじけるような笑顔です。握手をしながら、まるで少女のようなキラキラと輝く目で長身のトルドー氏を見上げていて、「こんなに全身で歓待ぶりを表現されたら、誰もが女王の虜になってしまうだろうな」と、思わずうなってしまいました。実際、トルドー氏もとろけるような笑顔で、いつも以上に「イケメン」ぶりが際立っていました。メディアが注目したのは、部屋に飾られた花束です。握手をする二人の背後には、ウクライナの国旗の色である青と黄色の見事な花がアレンジされていましたが、地元メディアはこれを「ロシアの侵攻に苦しむウクライナ国民に向けた女王の応援メッセージだ」と伝えています。満面の笑顔でお出迎えをしつつ、花束でさりげなく政治的なメッセージを発信する...。70年の長期にわたり、世の移り変わりを見てきたエリザベス女王ならではの「超一流のおもてなし」ではないでしょうか。なかには、「女王は、自国のボリス・ジョンソン首相より先に、トルドー氏を面会相手に選んだ!」と、ジョンソン氏を揶揄するような報道もありましたが、世界の注目を集めるという意味では、トルドー氏を選んで大正解だったと思います。95歳の女王が「一番会いたい」あの人との対面はいつになる?95歳と高齢のエリザベス女王。在位70周年を迎える2022年はイベントが目白押しで、病み上がりでもゆっくりはできないようです。3月末には故フィリップ殿下の一周忌が予定されていますが、ここにきて、著名な王室ジャーナリストが「女王が一番会いたいのはひ孫のリリベットだ」という「内部情報」を暴露して話題になっています。QueenElizabethII"desperately"wantstomeetMeghanMarkleandPrinceHarry'sdaughterLilibet(エリザベス女王は、メーガン・マークルとハリー王子の娘であるリリベットに「死ぬほど」会いたがっている:ニューズウイーク誌)desperately:必死に、猛烈に、やぶれかぶれに記事によると、エリザベス女王は95歳という高齢にもかかわらず「最新技術」を使いこなしていて、現在米国に住む生後8カ月のひ孫・リリベットちゃんとも「zoom」で会っているとのこと。ちなみにリリベットちゃんは、メーガン妃とハリー王子の第2子で、フルネームは、リリベット・ダイアナ・マウントバッテン=ウィンザー。ファーストネームに選ばれたリリベットはエリザベス女王の子ども時代の愛称で、夫妻は「エリザベス女王にとって思い入れのある名前」をわざわざ選んだ、と伝えられています。この「リリベット」という名前については、事前に女王の許可を取っていなかったとの報道もあり、タブロイド紙の恰好のネタにもなっていました。でも、現在5人いるひ孫のなかで、唯一、女王が対面をしていないのがリリベットちゃんなのです。ご存じのとおり、王室を離脱したハリー王子夫妻と英王室ならびに英国との関係は複雑で、とくに、メーガン妃が米テレビのインタビューで、「王室で人種差別を受けた」と匂わせるような発言をしたことから「亀裂が決定的になった」とも報じられています。それでも、体調不良による入院や新型コロナ感染などが続いているエリザベス女王が「ひ孫に会いたい」という気持ちは募る一方で、より「urgent」(緊急)なものになっているとジャーナリストが指摘しています。新型コロナ感染を乗り越えて、対面公務を復活したエリザベス女王。リリベットちゃんとの「対面」はいつになるのでしょうか?それでは、「今週のニュースな英語」は「desperately」を取り上げます。「必死で」「絶望的に」何かをする、という意味の副詞です。I'mdesperatelyinlovewithyou(私はあなたに夢中だ)Idesperatelyfinishassignmenttoday(必死になって今日中に課題を終えたい)PeopleofUkrainedesperatelyneedhelp(ウクライナの人々は必死になって救助を求めている)今回、王室ジャーナリストの「内部情報」は、ハリー王子一家帰国への反応を探る「観測気球」かもしれません。王室を離脱した夫妻への反発も、高齢の女王の望みとあれば、軟化する可能性もあるでしょう。結局最後に笑うのは、すべてを手に入れるメーガン妃のような気がしてなりません。今後のゆくえに注目です。(井津川倫子)
記事に戻る