上場企業の財務諸表から社員の給与情報などをさぐる「のぞき見! となりの会社」。
今回取り上げる中古車販売のネクステージは1998年に愛知県で創業。2013年7月に東証マザーズ上場にすると、翌14年9月に東証一部へ市場変更し、同年12月には名証一部へも上場しています。現在は本社を名古屋に置き、北海道から沖縄まで全国に店舗網を形成しています。
業績は右肩上がりの絶好調
それではまず近年の、ネクステージの業績の推移を見てみましょう。
ネクステージの業績は上場以来右肩上がりで、売上高は2011年11月期の283億2000万円から2021年11月期の2912億6300万円へと、10年間で10倍を超える伸びを見せています。
利益も順調に伸びており、2011年11月期の営業利益は前期比99.8%増の136億3700万円、最終利益は同103.9%増の96億6300万円。営業利益率は4.68%で、前期の2.83%から1.85ポイントも改善しています。
2022年11月期の期末業績予想は、売上高が前期比20.2%増の3500億円、最終利益は同24.2%増の120億円となる見込みです。
ちなみに、中古車買取チェーンとしてはIDOM(旧ガリバーインターナショナル)という最大手のライバル会社があり、2022年2月期の業績予想として売上高4500億円、営業利益170億円を見込んでいます。
◆2021年11月期はすべての事業部で黒字を初達成!
ネクステージは「自動車販売及びその附帯業務」の単一セグメントですが、(1)中古車販売事業(2)新車販売事業(3)整備事業(4)保険代理店事業(5)自動車買取事業及び自動車出張買取事業(6)カーコーティング事業――の6つの事業を展開しています。
そして、これらを取り扱う「販売店」「買取店」「整備店」「ディーラー店」という4種類の店舗事業を展開。2021年11月期には赤字だった整備店とディーラー店の収益が改善し、営業利益ベースで初めて全事業部での黒字を達成しています。
店舗のカテゴリーブランドには、総合店の「ネクステージ」のほか、大型専門店の「SUV LAND」、大型中古輸入車専門店の「UNIVERSE」があります。新車販売店では、スウェーデンのVOLVOやイギリスのJAGUARやLAND ROVER、イタリアのMASERATI、ドイツのVOLKSWAGEN、AUDIといった輸入車を扱っています。
地域別販売高は、本社のある東海北陸地方が最も大きく全体の33.8%を占め、次いで関東甲信越地方の25.5%、関西地方の16.6%です。
右肩上がりで業績を上げてきたネクステージは、従業員数も急速に増えています。
2021年11月期の売上高は4期前と比べると2.4倍に増えていますが、従業員数は単体3471人、連結3725人でそれぞれ3倍近く増えています。
ちなみに、業界最大手のIDOMの従業員数(2021年2月期)は単体3318人、連結4629人で、単体ではネクステージより少なくなっています。