2024年 4月 26日 (金)

大学卒業式「心に響く学長の挨拶」はコレ! 会社ウォッチ編集部が独断で選ぶ珠玉の言葉の数々【3:君たちはどう働くか編】

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デジタルのチカラは世界を変える!

   さて、やはりこれからの時代、デジタルスキルは欠かせない。そのスキルを持つ者が社会を動かしていく――。「リーダーとしてその責任を持とう」と呼びかけたのが、デジタルスキルを学ぶ専門大学、デジタルハリウッド大学の杉山知之学長だ。

デジタルハリウッド大学 杉山知之学長(公式サイト:学長メッセージより)
デジタルハリウッド大学 杉山知之学長(公式サイト:学長メッセージより)
「みなさんはこれから社会に出て、decision-making(意志決定)をしていく、リーダーとなっていく人たちです。デジタルを操れるというのは力です。それをどう使うかはみなさんの判断です。でもそこには、どこかで自分のことだけを考えるんじゃなくて『利他』の心がある」

   杉山学長の考えでは、ほかの生物は何万年も同じ暮らし方をしているが、人間は自分の意思で生き方を変えられる。しかも今は、デジタルのチカラによって、非常に短い時間で状況を変えていけるようになった。たったひとりの若者が始めたことが世界中の人に影響していくことも起きた。

「(しかし、)たとえ何億人に影響がなくても、例えば作品を作れば何十万の人に影響するし、会社を作ればそれに関わったお客さんや一緒に仕事した人など、意外と多くの人に自分のdecisionが関わります。それによって『こういう人生って嬉しいな』というふうに答えや結果が出る。こういうことをいつも、いつも考えながらこれから行動してほしい」

   最後に杉山学長は、こう結んだのだった。

「みなさんは次の世代、これから生まれてくる人たちにいろんなことを繋げていかなきゃいけない。(中略)自分はそういう責任を持っているんだ、そしてここで学んだパワーを良きものとして使おう。そのことを心に刻んで、今日の卒業を迎えていただければ、学長としては本当にありがたい。みなさんの未来に栄えあれ。おめでとう!」

   デジタルのチカラを卒業生に強調したのは、岡産業大学の鷲崎早雄学長も同じだった。鷲崎学長は富士製鉄(現日本製鉄)出身の元ビジネパーソンだ。自分の体験を踏まえて卒業生に語りかけた。

静岡産業大学 鷲崎早雄学長(公式サイト:学長メッセージより)
静岡産業大学 鷲崎早雄学長(公式サイト:学長メッセージより)
「生まれた時からデジタル世代である皆さんにはピンとこないかもしれませんが、日本で電子メールを使い始めた2000年代初めのことです。それまで日本のオフィスは大部屋に机を並べて生の対面で仕事をする、離れた人へは電話によって直接呼び出して話をする文化でした。(中略)そういう一体感があるから日本のビジネスは質が高いのだと言われていました。1980年代の中ごろ、日本経済が世界第2位となり、『ジャパンアズナンバーワン』と言われて、日本型ビジネスというものが経営学の中でもてはやされた時代です」

「一方、欧米では個人個人がオフィスと称する部屋を持っていて、離れて仕事をすることが当たり前でした。離れている人たちのコミュニケーションは主に紙に書いたメモやレターを使っていました。電子メールはもともと欧米のそうしたメモやレターで仕事をする文化のツールとして生まれてきたものです」

   1980年代半ば、鷲崎学長自身が、日本のビジネス文化に慣れ親しんだ人々に向けて、欧米式の電子メールを導入する仕事をしたことがあるという。だが、多くの人は電子メールの効率性を理解できなかったらしい。

「結果は、間もなく出ました。反対であると言っていたゴリゴリの日本型ビジネスマンの大敗北で終わりました。現在、日本でもこれほど電子メールが普及している状況を見れば、実は非同期式、疎結合な(ようするに、対面しないような)組織運営が効率的であることが明らかなのです。さらに、この非同期式という考え方は、頻繁な接触を避ける(新型コロナの)感染予防の世界に、非常にうまく適合する考え方であることも重要なポイントです」

   鷲崎学長は卒業生たちにこうアドバイスしたのだった。

「今後社会のあらゆることが非同期式の考え方で変わっていくと考えています。食事もレストランに行って食べるのは同期式ですが、レストランの食事をテイクアウトして自宅で食べれば非同期式なのです。うまく使い分けていくことが重要だと思います」

「このように、パンデミックは人間に大きな制約をもたらしましたが、新たな創意工夫により、新たな環境に向けてそれに応じた変化を獲得するチャンスでもあります。(中略)それこそが、大学2年間をパンデミックの災禍の中で過ごした皆さんの強みであるとも言えるものと思います」
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