2024年 4月 26日 (金)

困りものの「指示待ち部下」...どう仕事を与えればいい?【上司力を鍛えるケーススタディ CASE 1】(前川孝雄)

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「小さな階段」を踏ませ、次第に自律を促そう

   こうして、仕事のアウトラインや手順は示しながらも、部下自身の裁量を必ず残し、自分で考えさせることを繰り返させたのです。この方法によって、新人部下は自律的に仕事を進められる領域を次第に拡大していきました。課題を達成する頃には、自分からアイディアを提案できるほどになり、自分の力でやり切った達成感と自信も得て、着実に一回り成長していました。

   このように、新人や指示待ち部下に仕事を与える時には、「今日(今週)はこれについて考えてほしい」「来週(来月)までに〇〇を終えて、レポートをまとめてくれないか」などと、細かくやるべき業務と期限を決めて指示を出すことです。ただし、その中で目的の説明と共に部下本人が創意工夫できる裁量も必ずセットで任せること。こうした定期的なサポートを継続し、「小さな階段」を踏ませながら、次第に自律性を高めていく育成が効果的なのです。

※「上司力」マネジメントの考え方と実践手法についてより詳しく知りたい方は、拙著「本物の上司力~『役割』に徹すればマネジメントはうまくいく」(大和出版、2020年10月発行)をご参照ください。
※「上司力」は株式会社FeelWorksの登録商標です。


【プロフィール】
前川 孝雄(まえかわ・たかお)
株式会社FeelWorks代表取締役
青山学院大学兼任講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授

人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。リクルートを経て、2008年に管理職・リーダー育成・研修企業FeelWorksを創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50代からの働き方研修」「eラーニング・上司と部下が一緒に学ぶ パワハラ予防講座」「新入社員のはたらく心得」などで、400社以上を支援。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年働きがい創造研究所設立。情報経営イノベーション専門職大学客員教授、一般社団法人 企業研究会 研究協力委員、ウーマンエンパワー賛同企業 審査員なども兼職。連載や講演活動も多数。
著書は『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)、『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『コロナ氷河期』(扶桑社)、『50歳からの幸せな独立戦略』(PHP研究所)、『本物の「上司力」』(大和出版)等30冊以上。近刊は『人を活かす経営の新常識』(FeelWorks、2021年9月)および『50歳からの人生が変わる 痛快! 「学び」戦略』(PHP研究所、2021年11月)。

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