2024年 4月 18日 (木)

多様な人材こそイノベーションの原動力! 「なでしこ銘柄」6回選出のLIXIL、早期復職、フレックス...充実サポートで女性活躍後押し/LIXILの小竹茜さん、小林真理さんに聞く

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コロナをきっかけに在宅勤務が定着...気持ちもラクに、育休復帰しやすい

LIXIL D&Iグローバルリーダーの小竹茜さん
LIXIL D&Iグローバルリーダーの小竹茜さん

――誰もが働きやすい環境づくりの中で、女性活躍を後押しする取り組みをご紹介ください。

小竹さん「日本では産後の休みが長く、キャリアのブランクが長く発生しがちですが、早く帰ってきたい従業員が早く復職できるように『早期復職サポート金制度』を設けました。育児休業からの復職にあたって発生する費用(ベビーシッターや保育所等)のサポートを行うことで、早期復職を促進し、極力キャリアを止めずにモチベーション高く、長く働き続けられる環境作りを行う目的です。当社では育児休業も法定以上に取得できますが、従業員の環境や意向によって、復帰時期を選べるよう制度を整えています。このほかに、『子どもの看護休暇(有給)』や、つわりや不妊治療のために使える『セルフケア休暇』など、ライフステージに合わせて、異なるニーズを持つ従業員をサポートする制度の拡充を図っています」

――さまざまな制度が充実しているのですね。

小竹さん「はい。また、2021年3月期は、コロナ禍における新しい働き方として、在宅勤務をはじめとしたテレワーク制度をより柔軟に活用できるよう変更しました。従来のフレックスタイムのコアタイムを廃止し、これまで以上に、従業員が主体的に働く時間を選択できる『スーパーフレックス制度』を導入しました。もっとも、コロナ禍以前から、フレックスタイムの採用やテレワークをトライアルスタートしていました。在宅で仕事ができる体制をいち早く整えていたことで、スムーズに移行できました。たとえば、子どもの行事や通院があっても途中で仕事を抜けて、また戻ることができるなど、仕事と子育ての両立がしやすくなりました。
テレワーク制度は、『週何回出社しなければならない』などの制限がないため、都内から離れ、自分が住みたい場所に引っ越した人もいます。私自身も2021年に育休から復帰し、この制度のおかげで、仕事と育児の両立ができていると感じています。子育てをしてわかったことは、朝の子どもの世話や病院などでしなくてはならないことが多いこと。また、通常勤務の時間帯に、会社にいられないことも突発的に発生することです。子どもが病気になると日中、子どもの面倒を見る必要がありますが、テレワークとフレックスのおかげで、働く時間と場所に制限が一切なく、自分が働ける時間に家で仕事ができます。時短ではなく、通常の勤務ができてありがたい制度だと思っています」
小林さん「私は、第一子出産後の復帰が2012年でした。当時はテレワーク制度もなく、毎日通勤だったため、時短勤務を利用しての復帰でした。周囲への遠慮から『すみません、お先に失礼します』と言って帰るという状態でした。今、育休復帰した従業員に聞くと、コロナをきっかけに、在宅勤務が誰もが当たり前として受け入れられる体制になったことで、心理的にもラクになっている、との意見が出ています。また、通勤時間が無くなったことで、フルタイムでの復帰がかなったり、子どもとの時間も増やせたり、と、育児との両立の面でプラスになっていることが多いと感じています」

――LIXILの人材育成プログラムにはどんなものがありますか。

小竹さん「次世代の幹部候補人材を対象とした選抜型の人材育成プログラム『NEXT/NEXT 2nd』があります。NEXTは経営幹部候補向け、NEXT 2ndは管理職候補向けのものです。優秀な若手人材の早期育成、抜擢・登用をより一層進めていくことを目的にしています。これができた背景の一つには、日本は海外に比べると昇進が遅い傾向があり、とくに女性は子どもを産み育てる時期と昇進が重なり忙しくなることもあります。
具体的な内容としては、OJTとレクチャー、座学で、各自の育成プランをもとに育成責任者をつけて実施しています。最近は、経営幹部を含め、自身の希望する方にメンターになっていただき支援を受けられる、メンター制度もスタートしました。自身がどのように成長したいかによってメンターを選べる有益なプログラムになっています。当社では入社から退職までの従業員一人ひとりが歩んでいく道のりを『キャリアジャーニー』として、すべての従業員が自身主導で充実したキャリアジャーニーを歩んでいくことができるよう、キャリアオーナーシップの考え方を数年前から全従業員に向けて繰り返し発信しています」
水野 矩美加(みずの・くみか)
水野 矩美加(みずの・くみか)
アパレル、コンサルタント会社を経てキャリアデザインをはじめとする人材教育に携わる。多くの研修を行う中で働き方、外見演出、話し方などの自己表現方法がコミュニケーションに与える影響に関心を持ち探求。2017年から、ライター活動もスタート。個人のキャリア、女性活躍、ダイバーシティに関わる内容をテーマに扱っている。
戸川 明美(とがわ・あけみ)
戸川 明美(とがわ・あけみ)
10数年の金融機関OLの経験を経て、2015年からフリーライター、翻訳業をスタート。企業への取材&ライティングを多く行う中で、女性活躍やダイバーシティの推進、働き方の取り組みに興味をもつ。
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