仕事の進め方を細かく質問してくる「依存心の強い部下」...どう対応する?【上司力を鍛えるケーススタディ CASE 2】(前川孝雄)

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仕事の意味と成果を考えさせるヒントを与えよう

   そこで、自分で判断せず、すぐに質問をしてくる部下に対しては「キミはどう思う?」と聞き返してみることです。上司がどう評価し決定するかをまず気にするのではなく、部下自身の中に徐々に判断の軸を持てるようにしていくことが育成です。

   ただ、「どう思う?」と問うことで本人の考えや意見がなかなか出てこない場合は、考えさせるためのヒントを与えるようにしましょう。

「この文書は何のために作っていて、誰が読むものなのかわかる? 読む人の立場に立って、どうすればいいか考えてみて。」
「お客さんは何を期待してこれを読むか、わかる? その表現で伝わると思う?」
「読むのは年配の方だよね。文字をびっしり詰めると、どうなるかな?」

といった具合です。

   常に仕事の意味や目的を考えさせるように習慣づけることは、部下を育てていくうえでの基本です。依存心の強い部下の場合には、折に触れ考え方のヒントを与えながら、自律的に判断ができるように根気よく支援していきましょう。

※「上司力」マネジメントの考え方と実践手法についてより詳しく知りたい方は、拙著「本物の上司力~『役割』に徹すればマネジメントはうまくいく」(大和出版、2020年10月発行)をご参照ください。
※「上司力」は株式会社FeelWorksの登録商標です。


【プロフィール】
前川 孝雄(まえかわ・たかお)
株式会社FeelWorks代表取締役
青山学院大学兼任講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授

人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。リクルートを経て、2008年に管理職・リーダー育成・研修企業FeelWorksを創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50代からの働き方研修」「eラーニング・上司と部下が一緒に学ぶ パワハラ予防講座」「新入社員のはたらく心得」などで、400社以上を支援。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年働きがい創造研究所設立。情報経営イノベーション専門職大学客員教授、一般社団法人 企業研究会 研究協力委員、ウーマンエンパワー賛同企業 審査員なども兼職。連載や講演活動も多数。
著書は『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)、『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『コロナ氷河期』(扶桑社)、『50歳からの幸せな独立戦略』(PHP研究所)、『本物の「上司力」』(大和出版)等30冊以上。近刊は『人を活かす経営の新常識』(FeelWorks、2021年9月)および『50歳からの人生が変わる 痛快! 「学び」戦略』(PHP研究所、2021年11月)。

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