2024年 4月 24日 (水)

山を切り崩し、畑を作り、野菜を育てる...「生きてる」こと実感できる里山「白糸の森」が人気スポットになったワケ

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大事なのは「自分たちの作りたい野菜を作る」こと

白糸の森で作った野菜を使っている「やすじのうどん」。うどんも天ぷらも絶品だ。
白糸の森で作った野菜を使っている「やすじのうどん」。うどんも天ぷらも絶品だ。

   まえだ農園では、無農薬で動物性堆肥を使わない野菜と穀物を育てている。二人がそれらを使わない理由は至ってシンプルだ。「自分たちが責任を持ってちゃんと説明できるものを作ること」(大串さん)。それは、その野菜や穀物に関わるすべての情報に対して説明できることを意味している。たとえば動物性堆肥を使用した場合、一般的には堆肥になった動物はどこで育ち、何を食べて育ったかなどを知ることができない。

   そのため、他所から持ってきた肥料や農薬は使わずに、自分の山にある土や水、草だけを循環利用して、純粋な地場産野菜を作っているというわけ。無農薬だから安心なのではなく、作り手がその野菜がどういった肥料で育ち、その肥料はどうやって作られたかなどをすべての背景を説明できるからこそ、安心と安全が生まれている。

   そのことは、白糸の森にある「白糸うどん やすじ」や「森のお菓子屋 緑の詩 ~おと~」で提供、販売されている食べ物も同じである。

   「白糸うどん やすじ」のうどんの麺の原料は大豆、天ぷらの野菜、料理に使用されているすべての原料が育った背景までくまなく知っている。畑で採れた新鮮な野菜を使用し、その場で調理して食べてもらう。「白糸の森」では、こうしたば究極の地産地消を味わえるのだ。

「実際に自分たちが食べている物のことを、農業体験を通して少しでも知り、その経験を記憶の片隅にでも良いから覚えておいてほしいと思った」

と、前田さんは明かす。

   こうした取り組みが食べ物のみならず、さらなる未来を生む「人への循環」にも繋がっていくと、二人は考えている。

清水一守(しみず・かずもり)
清水一守(しみず・かずもり)
一般社団法人SDGs大学 代表理事/公益財団法人日本ユネスコ協会連盟・ユネスコクラブ日本ライン 事務局長/英国CMIサスティナビリティ(CSR)プラクティショナー資格/相続診断士
日本大学文理学部を卒業。大学では体育を専攻。卒業後、家業である食品販売店を継ぐも新聞販売店に経営転換。地域のまちづくりとして中山道赤坂宿のブランド化を推進した。その後CSR(企業の社会的責任)の重要性を学び、2018年7月から名城大学で「東海SDGsプラットフォーム」として月2回の勉強会を開催中。SDGsを広めるための学びの場として2019年9月に一般社団法人SDGs大学を開校。現在、SDGs認定資格講座やSDGsイベントなどを開催中。
岐阜県出身、1960年生まれ。
一般社団法人SDGs大学
SDGsを広めるために、誰もが伝道師となるような認定資格講座を3段階で設定。SDGsを学ぶきっかけの資格としてSDGsカタリストから始まり、その上位資格としてのアドバイザー資格、さらにカタリストを育成するカタリストトレーナー資格を設け、2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsを他人事ではなく、『ジブンゴト』としてとらえ、実践していけるようにSDGsの研究・周知・教育を行っています。校訓として学び・実践・達成・及人を掲げ、物心両面の幸せを追求し、真の『自分ごと』を探求できる学びの『場』として、誰もが参加ができるインラインによる「SDGs大学プラットフォーム」、「SDGsキャンプ」などのセミナー、イベントを提供しています。
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