2024年 4月 26日 (金)

ウォール街も真っ青!米国株暴落...エコノミストが危ぶむ「チャイナリスク」と「ロシアリスク」ダブルパンチ

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G7の対ロシア追加制裁が「ロシアリスク」加速

世界経済の大きなリスクの1つがプーチン大統領(ロシア大統領府公式サイトより)
世界経済の大きなリスクの1つがプーチン大統領(ロシア大統領府公式サイトより)

   一方、G7(主要7か国)の首脳が5月8日、対ロシア追加制裁措置としてロシア産原油輸入を禁止する方針を決めたことが、さらなる世界経済の悪化を招く、と警告するのは野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミスト木内登英氏だ。

   木内氏のリポート「ロシアが原油・天然ガスの新たな供給先を開拓しEU制裁の影響を相殺するのは難しい」(5月10日付)では、プーチン大統領がこの制裁措置に対抗、ロシア産原油、天然ガスの新たな輸出先を探すよう指示したことに注目した。具体的には、中国、インド、アフリカ、中南米向けへの供給の拡大だ。しかし、これはうまくいかないだろうと、木内氏は指摘するのだ。

原油価格の高止まりも世界経済の打撃だ
原油価格の高止まりも世界経済の打撃だ

   まず、中国だが、「中国側は、ロシアとの距離感を維持し、輸入拡大に慎重な姿勢を崩していない。(中略)中国は3月にロシアからの原油輸入をむしろ14%減らしている。中国政府は長年、エネルギー供給の多様化を進めると主張しており、原油に関しては中東、天然ガスに関してはオーストラリア、液化天然ガス(LNG)に関しては米国から調達している」。

   次にインドだが、「ロシアにとっての問題は、ロシア産原油をインド向けにはかなり安価で提供することを強いられていることだ。インドは3月に、世界的な指標価格から少なくとも20%割安な価格でロシアから原油を輸入する契約を結んだ。インドへの安価な原油販売が恒常化してしまう恐れがあり、(中略)政府の歳入を長期にわたって損ねることになってしまう」。

   そして、ロシアは北極圏の油田開発を海外企業に頼ってきたが、それも難しくなる。こうしてロシアはこの先、資源大国としての地位を急速に落としていく。

「ロシアでの原油、天然ガスの生産が趨勢的に減少すれば、長期にわたって世界の原油、天然ガスの需給に影響を与え、価格を高止まりさせる可能性があるだろう。それは世界経済に強い逆風となる」

と、木内氏はG7の決定が長期的には自分たちの首を絞める結果になることを懸念する。

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