職場の「叱責」問題、部下たちは成長のために叱られたい?...だが、8割が嫌がる「叱られ方」シチュエーションとは

男性は「過去のことを」、女性は「人前で」叱られるのがイヤ

過去のことを何度も言われたくない(写真はイメージ)
過去のことを何度も言われたくない(写真はイメージ)

   これをどう理解したらよいのか――。

   そこで、「上司に叱られるシチュエーションで、嫌だと思うシチュエーションを上位3つまで選ぶとどれか」(複数回答)と聞いた。すると、特に20代男女では「理不尽な理由で叱られる」(80.9%)、「なぜ叱られたか、理由が明確ではない」(67.1%)、「周囲に人がいる状態で叱られる」(36.6%)、「他人と比較して叱られる」(30.9%)などが上位に並んだ=図表5参照

(図表5)上司に叱られるシチュエーションで、嫌だと思うシチュエーションを選ぶと(20代男女の違い)(アスマークの作成)
(図表5)上司に叱られるシチュエーションで、嫌だと思うシチュエーションを選ぶと(20代男女の違い)(アスマークの作成)

   ここで興味深いのは、叱られ方で嫌だと思うシチュエーションに、明確に男女差があることだ。図の中の青(男性)と赤(女性)の折れ線グラフが、それぞれ男性と女性の割合を示している。これを見ると、男性は「過去の事案をぶり返して何度も叱られる」ことを特に嫌がる傾向があり、女性は「周囲に人がいる状態で叱られる」ことに耐えられない傾向があるようだ=図表5参照

   管理職の上司は、部下に叱る内容がしっかり伝わる関係性を築くためにも、内容だけでなく嫌がられるシチュエーションではないかどうかも考える必要がありそうだ。

人前で叱られるのは嫌だ(写真はイメージ)
人前で叱られるのは嫌だ(写真はイメージ)

   調査を行ったアスマークの担当者もこうコメントしている。

「叱られることも必要と考える人や納得できている人は多いようですが、納得できない人も一定数存在していました。これは上司の人間性や叱るスキルの低さの問題なのでしょうか? 上司が思わず理不尽に怒ってしまうような、忙しい、ギスギスした職場風土が問題なのかもしれません」

   調査は2022年6月21日~6月28日、20代の一般社員男女200人、30代の中間管理職男女150人を対象にインターネットで聞いた。

(福田和郎)

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