スマホ、パソコンの「終活」やる人3%以下! 20代が一番熱心、死後の「デジタル遺品整理」の実態
デジタルの「終活」に関心が低い?40代
MMD研究所の調査は、全国の4849人が対象。まず、「デジタル遺品整理」問題の基本用語である「デジタルタトゥー」「デジタル遺品」「ゾンビアカウント」を知っているかどうか聞いた。「知っている」と「言葉は聞いたことがあるが、内容はよく知らない」を合わせた認知は「デジタルタトゥー」が26.9%、「デジタル遺品」が23.6%、「ゾンビアカウント」が14.5%となった=図表1参照。
知っている人が全体の約4分の1しかいないという結果になった。
FacebookやInstagram、Google、Appleなどでは故人のアカウントを無効化するなど、死後を想定したサービスがあるが、そのことを知っているかどうか聞いた。「知っている」と「言葉は聞いたことがあるが、内容はよく知らない」を合わせた認知度はFacebookやInstagramの追悼アカウントの機能が19.1%、Googleのアカウント無効化管理ツールが17.1%、Appleのデジタル遺産プログラムが11.4%となった=図表2参照。
こちらも知っている人が全体の約5分の1以下と、関心の低さが浮き彫りになった。
さらに、デジタル遺品整理を行ったことがあるかどうか聞くと、自身のデジタル遺品整理は「行ったことがある」が2.6%だった。次いで、「行う予定がある」が12.0%となり、「行う予定はない」(85.5%)が大半を占めた。また、故人のデジタル遺品整理は「行ったことがある」が3.4%、「行う予定がある」が5.4%、「行う予定はない」が91.2%となり、デジタル遺品整理に直接携わった人の少なさが際立った。
ではいったい、どんな人が自身のデジタル遺品整理を行っているのだろうか――。年代別で見てみると、「実施したことがある」のは20代が多く7.8%、次いで30代の4.7%が続く、しかし、40代以上は40代(1.4%)、50代~70代(いずれも1.0%)と、実行した人は非常に少なかった=図表3参照。
「終活」を考えるには一番早い年齢である20代が最も多いというのは、デジタルネイティブ世代で、デジタル遺品整理の重要性を自覚しているということだろうか。
ちなみに、「行う予定がある」と答えたのは、やはり年齢的に70代が一番多くて15.3%、次いで60代の13.3%となった。一方、「行う予定はない」と答えたのは40代が87.1%と最多となった=再び、図表3参照。他の年代とわずかな差ながらも、子育てや仕事で最も多忙を極める年齢だから、デジタルの「終活」にまで頭が回らないのだろう。