スマホ、パソコンの「終活」やる人3%以下! 20代が一番熱心、死後の「デジタル遺品整理」の実態
Instagram利用者に多い「自分の写真は永遠に残して」
さて、自身のデジタル遺品整理で実施した(したい)内容を聞くと(複数回答可)、「ネット銀行・ネット証券・FXなどのオンライン口座やログイン情報」(55.9%)が最も多く、次いで「オンラインショッピング等に登録しているクレジットカード情報」(45.8%)、「写真・動画・音声などのデータ」(44.1%)、「登録しているスマホ決済サービス」(41.2%)となった=図表4参照。
流出すると、自分だけでなく、パソコンやスマホを引き継ぐ遺族に金銭的に迷惑がかかる内容が多いようだ。
ところで、SNSに登録している人は、自分の死後も友人や知人がそれを引き続き運用してほしのかどうか――。興味深い結果が出ている。複数を登録している人は、1つだけ登録している人に比べて、死後も運用してほしいと望む人が多いのだ。
図表5と図表6はデジタル遺品整理実施経験者に聞いた、Twitter、Instagram、Facebook登録者ごとの死後の自身のアカウント運用意向だ。
図表5は1つのみの登録、図表6は2つ以上の登録だ。これをみると、1つだけ登録の図表5では「運用してほしい」と望む人はそれぞれ10%台で、「削除してほしい」と望む人がそれぞれ70%台に達している。
ところが、2つ以上登録の図表6では、「運用してほしい」と「すべて更新しないで残してほしい」と望む人が、合計でそれぞれ70%台に達している。そして、「すべて削除してほしい」と望む人が、それぞれ10%~20%台しかいないのだ。特に写真メディアのInstagramでは「運用継続」と「残してほしい」と望む割合が非常に高く、「すべて削除してほしい」と望む人は10.0%しかいない。
複数のSNSに登録しているということは、それだけSNSを通じて人々とつながっていたいという意識が強いのだろう。そして、懐かしい人々と一緒にこの世に生きた証として、自分たちの写真は永遠にインターネット上に残しておきたいという気持ちの表れなのだろうか。
調査は2022年6月28日~6月30日、20歳~79歳の男女4849人にインターネットでアンケートを行った。さらに、自分でデジタル遺品整理を行った経験者と行う予定のある計238人に集中的に聞いた。
(福田和郎)