2024年 5月 5日 (日)

物価、秋以降もっと上昇? エコノミストが指摘「低所得層ほど打撃」「食品から家電も値上げラッシュ」「企業が日本を見捨てたツケが...」

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   物価上昇に歯止めがかからない。2022年7月22日に総務省が発表した6月の消費者物価指数は昨年同月比プラス2.2%と、3か月連続で2.0%を上回った。

   2.2%とはいえ、実質的には3%近い上昇幅だといい、所得の低い層ほど打撃が大きいという指摘もある。

   エコノミストの分析を読み解くと、お先真っ暗のようだが......。

  • 物価上昇を何とかしてほしい(写真はイメージ)
    物価上昇を何とかしてほしい(写真はイメージ)
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「物価上昇の裾野が広がってきた」

   総務省の発表資料によると、家庭で消費するモノやサービスの値動きをみる6月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)は、昨年同月より2.2%上昇した。消費増税の影響を除くと、2008年9月以来、13年9か月ぶりの上昇幅になる。

   物価上昇の主な要因はエネルギー価格の高騰だが、「エネルギー」全体では昨年同月より16.5%の大幅な上昇となった。個別にみると、電気代18.0%、都市ガス代21.9%、ガソリン代12.2%、灯油23.4%といった案配だ。

   「生鮮食品を除く食料」も3.2%の上昇だ。このうち、輸入原材料を多く使う食用油が36.0%、食パンが9.0%、調理カレー16.4%などの上昇となっている。

高すぎてスーパーの買い物でも迷う(写真はイメージ)
高すぎてスーパーの買い物でも迷う(写真はイメージ)

   いったい物価上昇はいつまで続くのか、エコノミストはどう見ているのだろうか。

   ヤフーニュースのヤフコメ欄では、三菱UFJリサーチ&コンサルティング主席研究員の小林真一郎氏は、

「物価上昇の裾野が広がっており、足元でのエネルギー価格の伸び鈍化という効果を打ち消しています。中でも値上がりが目立つのが生鮮食品以外の食品で、5月の前年比2.7%から同3.2%に伸びが高まりました」

と指摘。つづいて、

「家庭用耐久財や雑貨など輸入に頼っている製品も、円安の影響が浸透しつつあり上昇ペースが加速しています」「原油など資源価格の上昇が一服している点は物価上昇圧力緩和につながりますが、その一方で、電力料金等が時間差をおいて値上げされること、円安による輸入品価格の上昇が今後本格化すると予想されることから、秋にかけて総合の伸び率は3%近辺まで高まる可能性があり、個人消費への悪影響が懸念されます」

と、物価上昇の長期化に懸念を示した。

   同じ欄で第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏は、

「消費者物価には帰属家賃(=もともと実際に家賃の受払いを伴わない自分の持ち家についても、通常の借家・借間と同じサービスを生んでいる、と評価する計算上の家賃)という架空の価格が計上されておりますので、実感はこれを除く必要があるでしょう。そこで、帰属家賃を除く総合を見ると前年比で2.8%上昇していますから、消費者の実感はこちらのほうが近いことになります」

と説明。そのうえで、「6月は名目賃金が2.8%以上増えないと実質賃金がプラスにならないことになります」と、実質的には物価高の打撃がもっと大きいことを指摘した。

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