2024年 4月 25日 (木)

再三延期してた「アップル」もいよいよ?! 相次ぐ「オフィス戻れ」発令...「リモート慣れ」海外ビジネスエリートたちはどう出る?(井津川倫子)

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   コロナ禍で企業がいっせいに導入したリモートワークに変化の兆しです。

   先日、米アップル社がいよいよ、従業員に対して「週3回オフィス勤務に戻す」と発表して話題になっています。リモートワークをいち早く導入して世界中の「働き方」に影響を与えた同社ですが、今度は「オフィス回帰」の流れを作るのでしょうか?

   テスラCEOのイーロン・マスク氏は、「オフィスに戻らないなら会社を去れ」と、刺激的な発言で「リモートワーク」打ち切りを宣言していましたが、果たして、リモートワークに慣れきったビジネスパーソンたちはどうするのか......。

   どちらかといえば、リモートワークが定着していた欧米ですが、なかには「オフィスに戻りたい」といった意外な(!)反応もあるようです。

  • リモートワークか出社するか問題、今後はどうなる?(写真はイメージ)
    リモートワークか出社するか問題、今後はどうなる?(写真はイメージ)
  • リモートワークか出社するか問題、今後はどうなる?(写真はイメージ)

「オフィス勤務は週1日で十分!」...この流れは変わるのか?

   新型コロナウイルスの感染拡大で、積極的にリモートワークを推進してきたアップル社ですが、じつは、2021年6月以降、複数回にわたって「オフィス復帰」を試みてきました。

   コロナの再拡大でたびたび期限を延長していましたが、今回、シリコンバレーに勤務するコーポレート部門の社員を対象に、2022年9月5日から「少なくとも週3日」のオフィス勤務に戻すと発表した、と報じられています。

Apple tells employees to return to office 3 days a week from September
(アップル社が「9月から週3日オフィスに戻るように」と従業員に伝えた:フィナンシャル・タイムズ紙)
return to office1:オフィスに戻る

   フィナンシャル・タイムズ紙によると、アップル社CEOのティム・クック氏は、「in-person」(対面)で協力して働くことが同社にとって「essential」(きわめて重要)だと伝えつつも、あくまでも「pilot」(パイロットモデル)だと強調。まずは、シリコンバレーでの様子をみながら、「adapting」(調整していく)としています。

   具体的には、毎週火曜日と木曜日が強制的な「in-person days」(対面の日、出社日)で、残りの1日は部署ごとに出社日を定めるルールのようです。

   リモートワークについては、同じくカリスマCEOのイーロン・マスク氏がテスラ社の従業員に対して、「週に最低40時間オフィスで働くか、いやなら社を去れ」と通告して話題になっていました。

   マスク氏の「最後通牒」のような宣言と比べて、「まずは週3日から実験的に行い、みんなの意見を聞きながら調整していく」とするアップル社の態度は「紳士的」に映りますね。

   世界一の時価総額を誇るアップル社の「方針転換」に追随して「オフィス復帰」を打ち出す企業が増えている一方、気になるのがリモートワークに慣れたエリート社員たちの動向だと、複数のメディアが伝えています。

   米通信社ブルームバーグは、最近の傾向として「週に1日出社、4日はリモートワーク」のパターンが増えているというデータを紹介。「経営者は週3日出社しろと言うが、従業員は週に1日で十分だと感じている」と、指摘しています。

   とりわけ、引く手あまたのIT技術系エリート社員は「リモートワーク」を重視する傾向が強いため、「crucial」(重要)な人手を失うリスクにさらされている企業は慎重にならざるを得ない、とのこと。

   じっさい、アップル社が前回「週3回オフィス出社」の方針を打ち出した時は、有能な幹部社員が「リモートワークできないなら会社を辞める」と宣言して、あっさりライバル社に転職してしまった、といった「事件」が話題になりました。

   とはいえ、リモートワークかオフィス回帰か...。自ら働き方を選べるのは、ほんのひと握りのエリート社員だけでしょう。コロナ感染にビクビクしながら通勤電車に乗る日本のビジネスパーソンには、別世界の話に聞こえます。

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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