コロナ感染者、入院給付金の全員対象を見直し 「駆け込み」申請増えるかも...【馬医金満のマネー通信】

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   みなさん、こんにちは。馬医金満です。

   医療保険の加入者が新型コロナウイルスに感染した場合に支払っている入院給付金について、保険会社が相次いで支払い対象を見直すことを発表しました。コロナ禍の感染第7波を受けて、政府がコロナ患者の全数把握を見直したことなどに合わせた。

   現在は、自宅などで療養するいわゆる「みなし入院」も含めて原則、全員に支払っていますが、早ければ2022年9月下旬から、高齢者や重症化リスクが高い人などに限定することにしています。

   直近の新型コロナウイルス感染症の入院給付金の見直しについて見てみます。

  • 猛威を振るった新型コロナウイルスの感染第7波…… どうなるのか?(写真は、国立感染症研究所提供)
    猛威を振るった新型コロナウイルスの感染第7波…… どうなるのか?(写真は、国立感染症研究所提供)
  • 猛威を振るった新型コロナウイルスの感染第7波…… どうなるのか?(写真は、国立感染症研究所提供)

支払いは高齢者や重症化リスクの高い患者、妊婦に限定

   これまでは医療保険の加入者が新型コロナウイルスに感染した場合、保険会社は、自宅やホテルなどで療養する、いわゆる「みなし入院」の場合でも、保健所や医療機関が発行する療養を証明する書類などがあれば、原則として入院給付金の支払いに応じてきました。

   しかし、第7波のコロナ感染者の急増によって、医療現場ではその手続きのために必要な書類や届け出に手間や時間がかかり、医療従事者の負担が重くなるなどの混乱が生じていました。

   こうした事態に、金融庁がコロナ感染者の全数把握の見直しなどに伴い、「みなし入院」による入院給付金の取り扱いについて、支払い対象を含めてできるだけ早く検討してほしいと要請していました。 これにより、

・65歳以上の高齢者
・入院が必要な患者
・妊婦
・新型コロナウイルスの治療薬や酸素の投与が必要な患者など、重症化リスクが高い患者

に支払いを限定することにしています。

   入院が必要な患者に対しては、これまでどおり支払いますが、具体的な運用については保険会社によって異なる場合があります。

全体の93%、329万2091件が「みなし入院」だった!

   生命保険協会によると、加盟する42社がコロナ禍で今年7月までに入院給付金を支払った件数は351万5966件。このうち、93%に当たる329万2091件が「みなし入院」の契約者でした。入院給付金の支払い総額をみると、約3046億6853万円に達しています。

   自宅やホテルで療養した場合でも全員を「みなし入院」として給付金を支払う特例は、2020年春以降に導入されました。病床のひっ迫で入院したくてもできず、ホテルや自宅で療養した人を救済するのが目的でした。

   ただ、今年1月以降は入院の必要がない軽症や無症状の人が増えたことで、なかにはPCR検査で「陽性」と判定されれば、それだけで給付金がもらえるような事態になっていました。入院給付金をもらうために、あえて保険に加入する人まで現れたそうです。

   入院給付金の原資は、もちろん契約者が払う保険料です。保険料を払っている人と給付金を受け取っている人のバランスが崩れて不公平な状況になっているとなると、保険会社としてはこれを正常な状態に戻さなくてはなりません。

   そう考えると、「みなし入院」の人たちをブロックするようになってしまうとしても仕方がないと思いますし、むしろ少々取り締まるのが遅すぎたくらいでしたので、見直されて良かったのではないでしょうか。

   給付金の支払い対象は、早ければ9月下旬から見直される見通しです。第7波もようやく下火になってきましたが、一方でこれが最後とばかりに、見直し前の「駆け込み」申請なんてことが起きるのではないか、心配ではあります。

   では、また!(馬医金満)

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