2024年 5月 6日 (月)

企業のネット炎上対策、どうしたら?...8パターンに分類、それぞれの対応解説

   企業のネット炎上を防ぐためのマニュアル本はいくつかあるが、本書「炎上しても大丈夫 今日から使える企業のSNS危機管理マニュアル」(晶文社)ほど役立つものはないだろう。ネット炎上のパターンごとに対応を解説し、効果絶大の対策を教えてくれる。

「炎上しても大丈夫 今日から使える企業のSNS危機管理マニュアル」小木曽健著(晶文社)

   著者の小木曾健さんは、国際大学GLOCOM客員研究員。複数のITベンチャーを経て現職。企業向けの「ネット炎上研修」を数多く行ってきただけに、本書の内容は実践的だ。著書に「11歳からの正しく怖がるインターネット」「ネットで勝つ情報リテラシー」などがある。

   まず、冒頭で個人と企業のネット炎上の違いについて、次のように説明している。個人のネット炎上は、反社会的な言動・違法行為などに対するバッシングの集約であり、定義が明確である。

   一方、企業のネット炎上は、売上減、不買運動、顧客離れ、イメージダウン、取引先への迷惑など、ネットでの騒動が全て含まれるため、定義はあいまいだ。それゆえに予防措置をとるべき範囲も広範囲に及ぶ。

   ネット炎上は全体意見のごく一部であるケースが多い。しかし、ネットによって可視化されるため、それが多数派だと誤認されやすいという。

なぜ炎上したか、誰が何に対して怒っているのかを見極める

   次に、企業のネット炎上を以下の8パターンに分類している。それによって異なる対応が求められる。

1 残当型 「残念ながら当然」というスタンダードな炎上。
2 身内型 企業活動の失態ではなく、個々の社員の「やらかし」が原因のもの。
3 業務外型 業務とは無関係で社員がプライベートに起こしたことだが、対応せざるを得ないもの。
4 火に油型 謝罪によってさらに炎上させてしまったもの。
5 濡れ衣型 初期の段階ではっきり否定、反撃する必要があるもの。
6 非実在型 「発端となった炎上」が実在しなかったケース。
7 自爆型 非実在型の一種だが、本人が炎上させてしまったもの。
8 斜め上型 炎上ロジックが斜め上すぎるので、相手にする必要がないもの。

   炎上した際は、なぜ炎上したか、誰が何に対して怒っているのかを見極めることが重要だという。ズレた謝罪を行うと、再度炎上することもある。また、「言葉足らず」や「もし不快に思う人がいたら、お詫びしたい」など、謝罪に使ってはいけないNGワードがある、と注意している。こうした知識を持ち、いつ炎上しても対処できるよう備えておくことが肝要だ。

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