2024年 5月 7日 (火)

FRBに翻弄されたウォール街!...声明は「ハト派」、会見は「タカ派」 エコノミスト指摘...「FRBは景気後退も辞さず」「次の焦点は中間選挙と中国リスク」

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市場の「甘い観測」をそのつど潰しにかかるFRB

アメリカ国旗
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   一方、「インフレとの長期戦を覚悟したFRBの金融引き締めは長く続くだろう」とみるのは、第一生命経済研究所主席エコノミストの藤代宏一氏だ。

   藤代氏はリポート「『インフレ沈静化なくして資産価格上昇なし』パウエル議長は『長い』引き締めに重きを置いた」(11月4日付)のなかで、パウエル議長が会見の中で述べた次の発言に注目した。

「利上げ幅(ペース)をどうするかは次第に重要でなくなり、今後は政策金利の最終到達点がどの程度になり、またその水準がどれだけ長く続くかが中心的な関心になる」

   そして、藤代氏はこう説明する。

「このように利上げ終了後も引き締め姿勢を長く維持することに重きを置いた発言は、利上げ幅縮小観測が『利上げ停止⇒将来的な利下げ観測』へと一気に飛躍することをFed(米連邦準備制度)が懸念している証左だろう。年初来、株価は大幅に下落し住宅市場も冷え込んできたが、資産価格(含む債券価格)の上昇がインフレ退治の阻害要因になるとのFedの認識に変化はみられない」
「今後Fedの引き締めスタンスは『ターミナルレート(利上げの最終着地点)を長く維持する』ことに重点が置かれるだろう。たとえ景気後退の脅威が迫ったとしても、インフレ沈静化に自信を持つまでFedは資産価格上昇を『よしとしない』姿勢を貫くとみられる。
今後、景気後退を示す経済指標やハト派の発言等を受けて、金融市場参加者が利下げを織り込み資産価格が上昇する場合、Fedはその都度、利下げ観測を潰しにくるだろう。インフレ沈静化なくして資産価格上昇なしと言ったところか」

   金融市場の「甘い観測」は通じない、としている。

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