2024年 5月 5日 (日)

中国「ゼロコロナ」大幅緩和は世界経済の脅威! エコノミストが指摘...「世界のインフレ加速」「FRBが引締め強化」「中国で200万人の死者」

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「ゼロコロナ」やめれば、死者130万~210万人の試算も

北京市の天安門広場
北京市の天安門広場

   一方、「中国が『ゼロコロナ』から『ウィズコロナ』に転じると、百数十万人規模の死亡者が出るのではないか」と心配するのが、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏だ。

   木内氏はリポート「世界が心配して見守る中国ゼロコロナ政策の行方」(12月6日付)のなかで、中国政府自身が厳格なゼロコロナ政策を続ける理由として、「中国の病院システムの脆弱さ」を常に挙げてきたことに注目した。

   木内氏は、医学誌「クリティカル・ケア・メディシン」の研究や、英国の生命科学情報調査会社「エアフィニティ」の発表をもとに、こう指摘する。

「中国の集中治療室(ICU)の病床数は人口1000人当たり3.6床と、香港の7.1床、シンガポールの11.4床を大きく下回る。
中国本土よりも医療体制が良いはずの香港でも、感染による死亡率が世界最悪の水準にまで上昇した。この香港の例に基づいて試算すると、中国政府がゼロコロナ対策を解除すれば、130万~210万人の命が危険にさらされる可能性があるという」
中国国民自身が自国のワクチンに懐疑的?(写真はイメージ)
中国国民自身が自国のワクチンに懐疑的?(写真はイメージ)

   木内氏はまた、こうも指摘する。

「病院システムの問題に加えて深刻なのは、中国でのワクチン接種率の低さである。これも、感染時の死亡率の高さの背景の1つであり、政府がゼロコロナ対策を解除することの大きな制約となっている。
中国ではワクチン接種率も追加接種率もともに低く、過去の感染による免疫獲得も広がっていない。政府によると、ワクチンの追加接種を受けた中国人は60%に満たず、さらに80歳以上の追加接種比率は40%にとどまる」

   ワクチンを接種する国民が少ないのはなぜか。ワクチンの効果と安全性に対する懐疑的な見方が広がっていることも挙げられる。

「海外では、中国のワクチンの有効性に対する疑問も高まっている。中国政府は欧米のコロナワクチンを承認することを拒み、主に中国医薬集団(シノファーム)と科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が生産する国産ワクチンに頼ってきた。両社のワクチンはいずれも世界保健機関(WHO)の承認を受けているものの、ウイルスの毒性をなくしたタイプの『不活化ワクチン』である中国製のコロナワクチンは、米モデルナや独ビオンテック、米ファイザーが開発した『メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン』と比べて有効性が劣る、と指摘されている」
感染が広がる北京市の中心地・北京西駅
感染が広がる北京市の中心地・北京西駅

   米バイデン政権のコロナ対策チームトップが、外国製ワクチンを輸入しない限り、中国はコロナ拡大を制御できない、と警鐘を鳴らした。だが、習近平国家主席は欧米のワクチンを利用することを拒んでいる、と報道されている。

   木内氏はこう警告する。

「2020年には他国に先駆けて感染拡大を抑え込み、また国内でのワクチン開発を早期に進めて、それを海外に広める『ワクチン外交』を大々的に広げてきた中国の面影はもはやない。
中国のゼロコロナ政策の影響は自国経済にも影響が及ぶことから、他国はそれを批判というよりも、もはや心配の目で見守っているのが現状だ。中国のゼロコロナ政策が、2023年の世界同時不況の大きなきっかけを作ってしまう恐れも出てきた」
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