2024年 4月 25日 (木)

「性格いいけど、非正規、貯金ゼロ...正社員も断る。こんな女性と結婚して大丈夫?」男性の投稿が炎上...「バリキャリと結婚したら」「専業主婦志向では」と賛否...専門家に聞いた(3)

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   結婚相手に対する悩みを訴えた、年収600万円台の男性の投稿が炎上騒ぎとなっている。相手は年収200万円台の非正規雇用の女性。

   「30代なのに貯金もゼロ。正社員にならないかと職場から誘われているのに、断っています。こんなリスクヘッジもできない女性と結婚しても大丈夫だろうか」と心配なのだ。ただ、女性は気遣いができ、家事も得意、人にとても優しい性格の持ち主だという。

   この投稿には「お金に執着するならバリキャリ女性を探したら」という批判や、「彼女は専業主婦志向。収入増を期待しても無理」という忠告、さらに「正社員を目指さない生き方が素晴らしい」という称賛まで、ざわついた論争が起こっている。

   働き方に詳しい専門家に聞いた。

  • 幸せな結婚とは(写真はイメージ)
    幸せな結婚とは(写真はイメージ)
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「彼女がおススメかどうかは、投稿者が生き方を受け入れるかどうか」

   <「性格いいけど、非正規、貯金ゼロ...正社員も断る。こんな女性と結婚して大丈夫?」男性の投稿が炎上...「バリキャリと結婚したら」「専業主婦志向では」と賛否...専門家に聞いた(1)>および<「性格いいけど、非正規、貯金ゼロ...正社員も断る。こんな女性と結婚して大丈夫?」男性の投稿が炎上...「バリキャリと結婚したら」「専業主婦志向では」と賛否...専門家に聞いた(2)>の続きです。

――その一方で、「年収200万円で一人暮らしを慎ましく営んでいる」「イマドキ珍しいステキな人柄」と称賛する声も少なくありません。むしろ、投稿者に「おススメ」という意見もあります。

川上敬太郎さん「彼女のことを肯定的に受け止めれば、そういう見方もできると思います。ただ、おススメと言えるかどうかは、投稿者さんが彼女の生き方を受け入れられるかどうかで、変わってくるのではないでしょうか」
性格がよい彼女だが、将来のことを考えると...(写真はイメージ)
性格がよい彼女だが、将来のことを考えると...(写真はイメージ)

――たしかにそうですね。ところで、非正規の働き方を選択したことについて、「特に女性の場合は、生理がキツイとか、健康面で責任の重い正社員を望まない人も多い」「自由に生きたい、好きな仕事をしたい、と非正規雇用を選ぶ人もいる」という指摘も寄せられました。

川上敬太郎さん「正社員という雇用形態は、長期安定的に働くことを最優先したい人にとって適した働き方だと思います。しかし、配置転換があり、朝礼や飲み会などに社員として出なくてはならないなど束縛度は強くなります。
その点、非正規と呼ばれる雇用形態の場合は、仕事内容や勤務地、プライベートとの時間の切り分けなどがしやすい反面、不安定なところがあります。どちらも一長一短があり、敢えて非正規の働き方を選ぶ人もいます。彼女も自ら希望して、非正規として働くことを選んでいる一人である可能性はあると思います」

「見通しは甘くても、それを含めて彼女のすべてを受け入れたいか」

彼を養ってあげるつもりで結婚(写真はイメージ)
彼を養ってあげるつもりで結婚(写真はイメージ)

――ほかに、自分の夫も自由な生き方をしていて、かつては正社員の私が「養ってあげてもいい」と思って結婚。現在では、働き過ぎて体を壊した私を夫が支えてくれているという、痛快な投稿もありましたね。

川上敬太郎さん「夫は働いて稼ぎ妻は家庭を守る、という長く根づいてきた夫婦のスタイルが、必ずしも世のすべてのご夫婦にとって最適だとは限らないということだと思います。過去の常識に縛られず、ご夫婦にとって最適な形を模索していくことが夫婦円満の大切なポイントの1つではないでしょうか」

――川上さんならズバリ、投稿者にどうアドバイスをしますか。彼女と結婚すべきですか。それとも多くの人が勧めるように、自分に似たバリキャリ女性を探すべきですか。

川上敬太郎さん「投稿者さんは、彼女自身の将来設計の見通しの甘さが気になっているようです。そこには2つの観点があると思います。1つは、見通しは甘くともそれを含めて彼女を受け入れたいか。もう1つは、どれだけ他に素敵なところがあっても、見通しが甘い人は受け入れられないのか。
前者であれば、見通しは甘いかもしれないが、それも彼女らしさの一つであり、そんな彼女と一緒に幸せになろうという考え方もあるように思います。一方で、後者の場合は、結婚についての結論を出す前に、お互いの生き方における価値観の違いをはっきりさせておく必要がありそうです。
どういう考え方なのか彼女の話に耳を傾け、自分の考え方を話し、お互いに求めるものについて確認し合う場を設け、一度しっかり彼女と向き合った方がよいのではないでしょうか」

「今の生き方を続けるかどうか、彼女には3つの選択肢がある」

仲の良い夫婦にはいろいろな形がある(写真はイメージ)
仲の良い夫婦にはいろいろな形がある(写真はイメージ)

――なるほど。かたや、投稿者の彼女にはどうアドバイスしますか。これまで通りの生き方を続けるべきですか。それとも、投稿者の求めに応じて、キャリアアップをはかるべきでしょうか。

川上敬太郎さん「彼女さんご自身にとって何が大切なのか、自問自答する必要があるのだと思います。そもそも、彼氏である投稿者さんが自分の見通しの甘さについて気にしていることをご存じないかもしれません。その場合は自問自答するきっかけ自体がないことになります。仮にそうだとして今後、もし投稿者さんが彼女と将来についての話し合うなど、自分と向き合う場面が訪れた場合、彼女には大きく3つの選択肢があると思います。
1つは、自分は今の生き方を続けたいけど、我慢して投稿者さんの価値観に合わせる。2つ目は、自分の生き方を貫き、投稿者さんに受け入れてもらうよう説得する。3つ目は、投稿者さんの話を踏まえて自らの生き方を修正し、納得したうえで考え方を改める。
もちろん、彼女も将来についてはしっかり考えていて、投稿者さんと話し合ってみると改めて考え方や価値観が一致していることを確認できた、という可能性もあると思います。あるいは、やはり投稿者さんと考え方は異なっていたのだとしても、先に挙げた3つの選択肢なども踏まえ、彼女自身にとって納得できる結論を出していただきたいと願います」

「彼女を大切に思い、ありのままを受け入れてきた投稿者の優しさ」

男女の愛ってなんだろう(写真はイメージ)
男女の愛ってなんだろう(写真はイメージ)

――まず、お互いに話し合わないと、前に進めないということですか。

川上敬太郎さん「少し気になるのは、投稿者さんは彼女がどういう考え方で今の生き方を選択し、今後どうしていきたいと考えているのかの予測がついていない点です。付き合う中で交わされる会話で、彼女の考え方や価値観、心の奥底にあるものなどに触れる機会が少なかったのかもしれません。
それは彼女を大切に思い、ありのままの姿を受け入れてきた投稿者さんの優しさの表われでもあるのだと思います。
しかし、彼女の見通しの甘さについて気になっていることを投稿者さんご自身がハッキリと認識している以上、踏み込んで話し合うことはとても大切だと思います。 その経験は、今後夫婦になられた後、一緒にさまざまな人生の苦難を乗り越えていくうえでも大切な機会となるはずです。投稿者さんと彼女、お二人にとって最良の道を選択されることを心より願っています」

(福田和郎)

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