オプション提案だけは、その場で受け入れてもらう「小さな応諾」がほしいワケ
そして、とりあえずそのオプション提案だけは、原則その場で受け入れてもらう「小さな応諾」を取り付けます。すなわち、提案本体の諾否をオプション実行後に先延ばしにしつつも、オプション実行により、相手をこちらに引き寄せて成約確率を高くさせるのです。
これは「セールス」ステップを「セールス」だけで終わらせずに、同時に部分的な「お試し提案」や「導入提案」を受け入れさせることで、一歩手前に相手を導く「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」と呼ばれるものです。
一度開いたドアを簡単に閉めさせないように、ようやく開いた隙間に足を挟み込んでドアを閉めさせない、という意味から名付けられたものです。
「セールス」ステップを「セールス」だけで終わらせてしまった場合、諾否回答をもらうまでの時間は相手にとっては、提案を本当に受け入れていいのか、何か問題があるのではないかという、ネガティブな検討を加える時間に他ならないのです。
すなわち、「セールス」から諾否回答までの時間を長くすれば長くするほど、ネガティブな検討の量が増えるわけで、成約の確率は下がってしまうとも言えるのです。
そうさせないためには、「セールス」内容だけで諾否を判断させずに、オプション実行を付加することで、具体的なポジティブ材料を提供する。こうしてネガティブな検討材料を減らしてしまうことが、最も効果的なやり方になるのです。
ですから営業チームとしては、「セールス」実行前に個々のセールス提案について、「小さな応諾」材料となるオプション提案を検討することが重要になるのです。