医師の58.0%「風邪の諸症状を訴える患者に対して『もう少し早く受診していれば』」
5類感染症に移行された新型コロナウイルス感染症だが、この夏、再流行も懸念される。そこで調査では、直近1か月に風邪の症状を感じた時、新型コロナに感染していると疑ったかを聞いた。その結果、38.7%(「疑った」10.3%、「少し疑った」28.3%の合計)が感染を疑っていた。年代別では、20代は49.5%で、年代が上がるほど疑う割合が低い傾向がみられた。
また、新型コロナ感染かもしれないと疑った人(464人)のうち、医療機関を受診した人は53.4%で、これに対して46.6%は疑いながらも受診していなかった。年代別では、20代の受診率が72.7%と高かったが、40代では40.0%、70~80代では43.9%だった。
ちなみに、猛暑が続くこの夏、「できるだけ避けたいもの」を聞くと、19.1%が「病院・クリニックなどの医療機関での受診」をあげた。塩野義製薬は「20代・30代は受診を敬遠する人は14.0%と少ないものの、40代以降になると2割以上が受診を敬遠していました」と指摘する。
一方で、新型コロナの診察を行う医師100人に、新型コロナ陽性と診断した際の患者からの反応について聞くと、90.0%が「ただの風邪だと思っていたという反応があった」(「よくある」52.0%と「たまにある」38.0%の合計)と回答した。
臨床の現場で思うことを尋ねた質問では、58.0%が「風邪の諸症状を訴える患者に対して『もう少し早く受診していれば』と思うことがある」。65.0%が「患者の自己判断で初動が遅れ、重症化や疾患の長期化につながっているケースがある」。78.0%が「患者の初期の自己判断が間違っていると思うことがある」といった結果も出た(いずれも、「よくある」と「たまにある」の合計)。