2019年 5月 19日 (日)

経営の行方や未来を徹底的に雑談 「これでいい」のビジョンをもつ

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■『MUJIが生まれる「思想」と「言葉」』(良品計画著、KADOKAWA)

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   世界28か国に店舗をもち、MUJIブランドを確立した良品計画。2000年代にはインターネットの深化とSPA(製造小売り)の登場でブランド価値の揺らぎにあえいだ時期もある。欧州で英独仏をはじめ9か国、中東で5か国のネットワークは日本のブランドとしては際立つ。西友のプライベートブランドとして、食品から出発した小売業によるブランド。

   セゾングループの総帥堤清二は、1980年、資本の論理が繰り広げる消費社会の行き過ぎに対して、商品を、人間の論理から見つめなおす試みとして無印良品をスタートした。日本を代表するクリエーターが参画し、商品の発想、パッケージ、売り場、広告をすべて一貫した思想で形づくった。世界の店舗数は876。連結売上高3800億円弱。営業利益率は10%を超え、小売業の平均を大きく上回っている。同社で25年生活雑貨の企画、社長、会長を歴任した金井政明氏が、その経営の内側を発信したのが本書である。

大戦略は、役に立つ

   良品計画では、経営の大戦略に「役に立つ」を置いている。

   無印良品という言葉は、感じのよい社会を目指す同社の活動プロセスを表しているという。店舗にならぶ商品は生活を感じよくするために選んだ一連の行動の成果だという。この会社では製品は生み出すのではなく生まれるのである。この大戦略は社員の思想に浸透している。高齢化も人口減少も社会の課題。であれば役に立てそうなことからやってみよう。そう社員は考えているのだ。

   商品開発の基本は、等身大の自分の生活をより良く美しく整えるということ。生活者の視点で装飾、機能のムダを引き算で省いていく。お酒でも香水でもなく、水のように役に立つというコンセプト。だからこそ、中東と欧州とアジアという異質のマーケットで顧客の心をつかんでいるのだろう。

【霞ヶ関官僚が読む本】 現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で、「本や資料をどう読むか」、「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。

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