30年の歴史に幕を閉じる「平成」を振り返る
2019年の年明けは、「平成」という年号が最後。今上陛下が毎年恒例の新年一般参賀に「天皇」としてお出ましになり挨拶をされるのも、今回が最後となった。新しい年号は4月1日(月)に発表、5月には新しい天皇が即位され、次の時代が始まる。今回は終わりの見えてきた「平成」、約30年の歴史を知る3冊をご紹介する。
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天皇・皇后両陛下の旅に同行した記者の見聞記
平成において天皇、皇后両陛下と国民との間に築かれた関係とはいかなるものだろう。天皇は即位後、全都道府県を二巡し、外国への訪問も36か国を数える。そこには、"旅こそ象徴のあり方の根幹"という、天皇自らが練り上げた象徴天皇像があった。被災地への旅、慰霊の旅、和解の旅...。『象徴天皇の旅 平成に築かれた国民との絆』(著者:井上亮 平凡社 972円)では、平成の象徴天皇という立場にあって旅とはどんな意味をもっているのか、を同行した井上氏ならではの視点で解き明かしていく。
「人々のかたわらへ―国内の旅」「悲しみと希望をともに―被災地への旅」「忘れてはならない―慰霊の旅」など全6章。
著者である井上氏は、日本経済新聞社に入社。社会部で警視庁、法務省、宮内庁などを担当し、現在は編集委員で皇室、近現代史を担当している。